機能製品の営業益は約3倍 クレハの22年3月期

2022年05月17日

ゴムタイムス社

 クレハの22年3月期連結決算は、売上収益が1683億4100万円で前期比16・4%増、営業利益は201億4200万円で同16・7%増、税引前利益は203億9800万円で同14・9%増、当期利益は141億6400万円で同5・0%増となった。機能製品事業のリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂を中心に売上が伸張し、米国のPGA(ポリグリコール酸)樹脂製造会社での当期の生産活動を中止したことによる損失があったものの、セグメント営業利益合計は増益となった。また営業利益もその他の費用で機能製品事業に係る固定資産の減損損失を計上したが増益となった。
 セグメントのうち、機能製品事業は、売上収益が666億8700万円で同50・0%増、営業利益は99億5300万円で同186・6%増。機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂、PPS樹脂、シェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品、その他の樹脂加工品等の売上が増加し、同連結会計年度に米国のPGA樹脂製造会社において生産活動を中止した影響はあるが、この分野での売上、営業利益はともに増加した。炭素製品分野では、高温炉用断熱材および自動車部品用摺動材向けの炭素繊維の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。
 樹脂製品事業は、売上収益が447億7300万円で同5・7%増、営業利益は98億6200万円で同27・9%増。コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上が増加し、この分野での売上、営業利益はともに増加した。業務用食品包装材分野では、塩化ビニリデン・フィルムはアジア地域で売上げ、営業利益がともに増加したとともに、欧州の熱収縮多層フィルムは売上げが増加して営業損失が減少し、この分野での売上、営業利益はともに増加した。
 23年3月期通期の連結業績予想は、売上収益が1800億円で前期比6・9%増、営業利益が220億円で同9・2%増、税引前利益は220億円で同7・9%増、親会社の所有者に帰属する当期利益が160億円で同13・0%増を見込んでいる。

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