信越化学、電動車部品向け開発 放熱用シリコーンゴムシート

2022年04月14日

ゴムタイムス社

 信越化学工業は4月13日、高電圧化が進む電動車部品向けの放熱用シリコーンゴムシート「TC―BGIシリーズ」を開発したと発表した。

 現在、電気自動車(EV)をはじめとした電動車が普及しており、今後もさらなる普及が見込まれている。電動車に使用される部品は、小型化と軽量化、さらに高出力化のためにシステム電圧の高電圧化が求められる。同社はこのような要望に応えるため、高電圧化が進む電動車部品の熱対策に使用できる放熱用シリコーン材料の開発を進めてきた。

 新製品「TC―BGIシリーズ」は、同社独自の技術により高い耐電圧特性と熱伝導性を兼ね備えた高硬度放熱用シリコーンゴムシートで、厚み0・2mm、0・3mmの2種類を取りそろえている。

 主な特長は以下の4点となる。①業界最高水準の高耐電圧保証を実現。厚み0・2mmで3kV、厚み0・3mmで5kVの耐電圧をシート全面で保証できる。さらに、0・2mm厚で4kV以上の耐電圧をシート全面で保証する製品も開発中。②7W/m・Kの高い熱伝導率を有する。③高硬度かつ高強度であり、パッドタイプに比べ作業性に優れている。④非シリコーン系の材料と比較して、長期信頼性に優れている。

 自動車の性能と信頼性を高めるために放熱材料は不可欠で、さまざまな製品や技術が開発されている。同社の放熱用シリコーン材料は、ゴムシートタイプに加えてパッドタイプ、グリースタイプ、ギャップフィラータイプ、液状ゴムタイプ(接着材・ポッティング材)などの製品が取り揃えられ、多種多様な放熱用シリコーン材料はさまざまな熱対策の要求に応えることができる。

 同社は、新製品の開発とともに熱解析技術によるテクニカルサポートや自動車産業向けの品質マネジメントシステム(IATF16949:2016)認証工場での製造と加工を行うなど、顧客のさまざまな要望に対応していくとしている。

 

放熱用シリコーンゴムシート「TC―BGIシリーズ」

放熱用シリコーンゴムシート「TC―BGIシリーズ」

 

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー