コンデンサ用OPP設備を新設 王子エフテックス、2・3倍に

2022年03月20日

ゴムタイムス社

 王子ホールディングスのグループ会社、王子エフテックスは滋賀工場(滋賀県湖南市)で電動車のモーター駆動制御用インバーターユニットのコンデンサに使用される、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)の生産設備を新設し、2024年から稼働を開始する。生産能力については、現行比2・3倍に拡大する。
 電動車の燃費向上や快適な車内空間確保のため、車載部品は小型化・軽量化が求められ、コンデンサ用OPPについては、常に薄膜化が求められている。王子エフテックスは40年以上にわたるコンデンサ用OPPの生産実績を誇り、2019年には当時世界最薄レベルとなる厚さ2・0µmOPPの営業生産を開始するなど、薄膜化と絶縁性を高いレベルで両立する独自の生産技術と安定供給能力を有している。同社は今年3月に2023年に稼働予定の生産設備の増設を発表しているが、その後も脱炭素化への動きは加速している。2021年11月に開催されたCOP26 において、「主要市場で 2035年までに世界全体では2040年までに販売されるすべての新車を電気自動車などのゼロエミッション車とする事を目指す」との共同声明が発表されている。今後この目標達成に向けて、主要国における電動車へのシフトはいっそう進むことが見込まれ、それに伴いコンデンサ用 OPPの需要も拡大することが想定される。同社はこの世界的な需要拡大に対応するため、更なる生産能力の拡大を図ることとした。
 王子グループは、今後も経営理念の一つである「革新的価値創造」のもと、社会構造の変化に伴う新たなニーズに柔軟に対応し、温室効果ガス排出量の削減、持続可能な社会への実現に貢献していく。

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