高機能不織布の共同開発開始 三井化学、フルステム社と

2022年03月18日

ゴムタイムス社

 三井化学は3月16日、フルステム社と幹細胞の高密度大量培養に向けた高機能不織布の共同開発を開始したと発表した。

 フルステム社が開発した幹細胞高密度大量培養装置「Achieva―CS」は、幹細胞培養の足場材として不織布を用いることで幹細胞の大量培養を実現している。両社は、同社が培った高分子材料や不織布成形の知見とフルステム社が有する幹細胞の高密度大量培養技術・装置の知見を合わせることにより、次世代の幹細胞大量培養プラットフォーム技術を共同で開発し、再生医療の発展に貢献していく。

 なお、フルステム社の高密度大量培養の取組みは、3月19日「第21回日本再生医療学会総会」にて発表する。

 フルステム社は、脳外科医であり再生医療認定医である千葉俊明氏により2016年8月に設立された。独自技術である高密度三次元大量培養法と回収法を実装した幹細胞高密度大量培養装置「Achieva―CS」を開発し、「誰にとっても安全で使いやすく」をコンセプトに幹細胞大量培養技術の実用化を目指している。

 「Achieva―CS」は、幹細胞培養の足場として不織布を用いることで培養面積の高密度・省スペース化が可能となり、低コストかつ生体内環境に近い状態で幹細胞の大量培養を実現している。さらに、フルステム社の特許技術により、従来は不可能であった不織布に埋没する幹細胞の効率的な回収に成功した世界初の三次元自動大量培養装置となっている。

 同社は、衛生材料分野や産業材分野に、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布を長年供給している。同社はこれまでの不織布開発で培った材料技術、成形技術を活かし、幹細胞の高密度大量培養に適した高機能不織布をフルステム社と共同で開発していくとしている。

 

幹細胞高密度大量培養装置「Achieva-CS」

幹細胞高密度大量培養装置「Achieva-CS」

 

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