東ソーら産官学協働で研究開発 NEDOの委託事業に採択

2022年03月01日

ゴムタイムス社

 東ソーは2月28日、東北大学、産業技術総合研究所、東ソー、凸版印刷、東西化学産業、恵和興業が、共同で複合プラスチックのケミカルリサイクル技術の実用化を目指した研究開発「複合プラスチックからのモノマー回収液相プロセスの開発」を2021年11月から開始したと発表した。同研究開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発/石油化学原料化プロセス開発」委託事業(事業期間2020年度~2024年度)の追加公募で採択され、実施するもの。

 医薬品や食品など一般に使用されているプラスチックの多くは、多層プラスチックフィルムに代表されるように、機能・性能を持たせるために、性質が異なる複数種のプラスチックを複合して使用されている。しかし、複数種が複合されたプラスチック(複合プラスチック)のリサイクルでは燃焼によるサーマルリサイクルに依存し、環境保全の観点からもマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの技術確立が期待されている。

 このような課題に対し、同研究開発では、包装・容器等に利用されている複合プラスチックからモノマーを回収する液相プロセスを開発する。複合プラスチックは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)等の加水分解性プラスチックと、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の非加水分解性プラスチックから構成されている。当該複合プラスチックを高温高圧水中で処理することで、加水分解性プラスチックは再び同種のプラスチックとなるモノマー類へ、非加水分解性プラスチックは石油化学の原料におのおの分解し、各モノマーを高選択・高収率・高純度で回収できる。連続の液相プロセスによるケミカルリサイクル技術を確立することで、複合プラスチックごみをそのまま処理できる可能性があることから、一般ごみのリサイクル率向上に大きく寄与し、環境保全に貢献する。

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