住友化学、4テーマが採択 NEDOグリーン基金事業に

2022年02月22日

ゴムタイムス社

 住友化学は2050年カーボンニュートラル実現に貢献する自社および他企業やアカデミアと協業で取り組むケミカルリサイクル技術について、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「グリーンイノベーション基金事業・CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に応募し、2件4テーマが採択された。採択された2件4テーマは次の通りで、同社は相互連携により成果の最大化を図る。
 研究開発項目2「廃プラ・廃ゴムからの化学品製造技術の開発」で、採択件名は廃プラスチックを原料とするケミカルリサイクル技術の開発。
 ①廃プラスチックの直接分解によるオレフィン製造では、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系廃プラスチックから、エチレンやプロピレンなどの基礎化学品の原料を高効率で製造する触媒およびプロセスの開発とその実証を行う。触媒の開発は、国立大学法人室蘭工業大学と20年3月から実施している共同研究の成果を活用し、異種プラスチックへの耐性の向上を目指した開発などを両者で推進する。また、モノマー製造プロセスに関する知見を生かし、効率性・安定性の高い反応プロセス開発を行います。丸善石油化学株式会社は、ナフサクラッカーに関する知見やノウハウを生かし、基礎化学製品の原料の分離・精製に関する検討や、副生油の品質確認を行いナフサクラッカーで原料としての利用を検討する。
 ②廃プラスチック由来合成ガスを用いたエタノール製造では、多種多様な成分からなる廃プラスチックから得た合成ガスを原料に、エタノールを製造する触媒およびプロセスの開発とその実証を行う。触媒の開発は、ハイスループットシステムによる高速触媒調製、反応評価、触媒インフォマティクスに関する知見を豊富に有する国立研究開発法人産業技術総合研究所「産総研」と共同で実施し、プロセスの開発とその実証は当社が行う。
 研究開発項目4「アルコール類からの化学品製造技術の開発 」で、採択件名はCO2等を原料とする、アルコール類及びオレフィン類へのケミカルリサイクル技術の開発。
 ③CO2からの高効率アルコール類製造では、CO2と水素を原料に、エタノールやメタノールなどのアルコール類を高効率で製造する触媒およびプロセスの開発とその実証に取り組む。エタノール製造の触媒開発は産総研と共同で行う。メタノール製造の技術開発は、国立大学法人島根大学と20年9月から実施している触媒改良および内部凝縮型反応器についての共同研究の成果を活用し、従来以上に両者の取り組みを加速させていく。
 ④アルコール類からのオレフィン製造では、
エタノールを主原料に、プロピレンをはじめとするC3以上のオレフィン類を高収率で製造する触媒およびプロセスの開発とその実証に取り組みます。触媒の開発は、産総研と共同で行い、製造プロセスの開発と、大型実証によるプロセス全体の操作性確認などを行う。

関連キーワード: ··

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー