マテリアルは9割増益 カネカの4~12月期

2022年02月10日

ゴムタイムス社

 カネカの22年3月期第3四半期連結決算は、売上高が5087億1600万円で前年同期比20・7%増、営業利益は333億1700万円で同92・7%増、経常利益は312億8800万円で同147・7%増、四半期純利益は220億2100万円で同128・0%増となった。
 セグメントのうち、マテリアル・ソリューションズ・ユニットは、売上高が2172億3700万円で同31・9%増、セグメント利益は262億6700万円で同89・8%増。ビニールはPVCを主体にインドなどアジア市場の旺盛な需要が続いており、苛性ソーダも海外市況が上昇した。 MODは欧米の需要が好調に推移している。特に、非塩ビ用途(自動車、PC・家電向け)の販売がグローバルに拡大している。グローバル4拠点を持つ供給体制の強みが力を発揮し、ビジネスモデルとして差別化力が効果を生んでいる。MSは、欧米に加えニューフロンティア・アジアの建築用途などの需要が順調に拡大。旺盛な需要増が予見されることから次期能力増強の検討を進めている。生分解性ポリマー「Green Planet」は、世界中から引き合いが集まり、新規採用が広がっている。環境負荷低減に関心の高い世界中のブランドホルダーとの大型共同開発が進展している。
 クオリティ・オブ・ライフ・ソリューションズ・ユニットは、売上高が1261億3800万円で同31・9%増、セグメント利益は137億8400万円で同64・7%増。スチレン系発泡樹脂、押出し発泡ボードの販売は堅調に推移した。原材料高騰の影響を強く受けた。発泡ポリオレフィンは、世界的な自動車減産が続くなか需要回復が遅れている。PVは、国策としての再生可能エネルギーのニーズが呼び水となり販売が拡大した。ZEBを志向したビル建物(壁・窓・屋根)への需要も加速している。E&Iは、スマートフォンや有機ELディスプレイ用のポリイミド製品、大型TV向けのアクリルフィルム用樹脂の販売が好調に推移した。
 通期の連結業績予想は前回予想からいずれも上方修正した。22年3月期通期売上高は6850億円で前期比18・6%増、営業利益は435億円で同57・9%増、経常利益は400億円で同81・3%増、当期純利益は260億円で同64・2%増を見込んでいる。

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