売上・利益とも改善へ タイヤ4社の非タイヤ部門

2022年02月23日

ゴムタイムス社

 タイヤ4社の21年12月期通期の非タイヤ部門は、ブリヂストンの多角化・化工品事業が全事業で黒字化を達成した。住友ゴム工業のスポーツ事業を始め、横浜ゴム、TOYO TIREの非タイヤ事業が前年同期比で増収となるなど、売上はコロナで落ち込んだ前期から回復を示したほか、利益も改善傾向を見せている。

 ◆ブリヂストン
 同社は昨年、コンベアベルト事業や防振ゴム事業など非継続事業とした。 その中で、多角化部門(継続事業ベース)は売上収益が2432億円、調整後営業利益は102億円。内訳は化工品事業の売上収益が1265億円、調整後営業利益は11億円、米州多角化事業の売上収益は393億円、調整後営業利益は46億円、スポーツ・サイクル事業の売上収益は726億円、調整後営業利益は43億円となっている。「21年度については全事業で黒字化を達成し、22年度の調整後営業利益も23年度計画レベルに近づく見通しとなった」(同社)としている。
 ◆住友ゴム工業
 非タイヤ事業は、スポーツ事業と産業品他事業で構成されている。スポーツ事業の売上収益は1014億2900万円で同44・4%増、事業利益は86億400万円(前期は7億4100万円の損失)となった。
ゴルフ用品では、日本市場ではコロナ禍でも需要が引き続き活況。松山英樹選手のマスターズ優勝効果もありスリクソンのゴルフクラブ・ボールやクリーブランドのゴルフクラブが好調に推移した。海外は北米、韓国などを中心にゴルフクラブ・ボールともに販売を伸ばした。またテニス用品は、新型コロナウイルス感染症の影響で全体需要がやや減少する中で販売が増加した。
 産業品他事業の売上収益は395億6500万円で同2・8%減、事業利益は19億4500万円で同39・0%減。インフラ系商材の受注減や使いきり手袋の需要減退などがあり、売上収益、事業利益とも前期を下回る結果となった。
 ◆横浜ゴム
 非タイヤ事業は、MBとATGから成る。21年12月期通期の両部門合計の業績は、売上収益は1917億円で同33・0%増、事業利益は185億円で同58・1%増となった。
 MB部門の売上収益は844億3800万円で同6・8%増、事業利益は37億8100万円で同30・5%増。なお、非継続事業のハマタイト事業の売上収益は161億9300万円、事業利益は50億8600万円となった。
 ホース配管事業は、市況の回復により建機向けを中心とした油圧ホース販売が好調で、売上収益は前年同期を上回った。また、工業資材事業は、コンベヤベルトの国内販売が好調であったものの、海洋商品での大型補用品プロジェクトの延期などにより売上収益は前年並みだった。
 一方、航空部品事業では、民間航空機向けの需要減退の影響が大きく、売上収益は前年同期を下回った。
 ATG部門の売上収益については1072億8400万円で同64・8%増、事業利益は147億1400万円で同67%増となった。農業機械用・産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤはともに好調に推移し、売上収益、事業利益は前年同期を上回り、過去最高となった。
 ◆TOYO TIRE
 自動車部品事業は、売上高は389億7900万円、同18億6800万円、同5%増、営業損失は20億800万円(前年度は20億2000万円の営業損失)となった。
自動車部品事業については、「今年2月に事業統括組織内に自動車部品推進事業本部を立ち上げた。今まで機能別組織で見ることができなかった部分を改善し、改めて自動車部品に本腰を入れていく。また、生産拠点における収益構造改善に向けた取り組みを進め、収益性を重視した受注活動を継続することにより、収益構造転換を目指す」(清水社長)としている。[/hidepost]

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