東レが開発、販売開始 100%植物由来ナイロン繊維

2022年01月17日

ゴムタイムス社

 東レは1月14日、原料のポリマーをすべて植物由来にしたナイロン510(N510)繊維を新たに開発し事業化をスタートさせたと発表した。

 同社は、バイオマス由来ポリマー素材・製品の統合ブランドである「エコディア」の新たなラインナップの一つとして「エコディアN510」の販売を開始する。「エコディア」統合ブランドで、原料のポリマーを100%植物由来にしたナイロン繊維の上市は今回が初めてとなる。

 同社は、「エコディアN510」の用途展開として、テキスタイルではスポーツ・アウトドア用途向けを中心に、薄地織物からカットソー素材まで、ファイバーではスポーツ・アウトドアからインナーレース・資材用途までアイテムを幅広く揃え、国内外のハイエンドゾーンに向けたサステナブル商材として提案する。

 テキスタイルの販売は、2023年秋冬シーズン向けからの販売を予定しており、2022年度20万m、2025年度60万mの販売を目標とし、ファイバーの販売は、2024年秋冬シーズン向けからの販売を予定しており、2023年度3・0t/月の販売を目標とする。

 今回開発した「エコディアN510」は、植物由来のセバシン酸(植物「ヒマ」)とペンタメチレンジアミン(植物「トウモロコシ」)を重合・紡糸してつくる100%植物由来のナイロン繊維で、実用的な100%植物由来ナイロンとして他にはない特徴があり、融点が高く、また、優れた寸法安定性を有している。従来のナイロン6と同等の強度と耐熱性を持ち合わせているため、現行の石油由来ナイロンを使用した商品と同様のスペックでありながらサステナブル商品の企画が可能となる。

 同社は今後、同社の保有する様々な技術と組み合わせ、繊維の太さを細くすることによる軽量化や、繊維の断面形状を異形にしたりすることによる機能性の付与など、繊維の更なる高度化を進め、アパレル用途をはじめ、幅広い用途で持続可能な社会実現に貢献する素材として幅広く用途開拓を推進していくとしている。

 

テキスタイル イメージ

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ブランドロゴ

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