高薬理活性原薬を製造 宇部興産が新工場で本格運転

2021年09月29日

ゴムタイムス社

 宇部興産は9月27日、山口県宇部市の宇部ケミカル工場敷地内に新設した第五医薬品工場で、少量・高薬理活性原薬の製造設備の本格運転を開始したと発表した。
 第五医薬品工場は少量・高薬理活性の原薬製造に特化しており、2021年5月に完成後、試運転などを行い、9月末より、高薬理活性原薬の本格生産を行っている。
 近年、医薬品市場について、オンコロジー領域での治療の個別化、オーファンドラッグの需要の高まりなどを受け、アンメットメディカルニーズ向けの医薬品の開発が活発化している。また、抗体薬物複合体(ADC)の開発など医薬品の多様化が進んでおり、薬理活性の強い少量原薬の需要が高まっている。
 同社はこれまで、既設の第四医薬品工場(反応槽容量 8m3)や治験薬工場(反応槽容量 2m3)において高薬理活性原薬(OEL≧1μg/m3)※を製造受託し、市場に供給してきた。新設した第五医薬品工場により、より薬理活性の強い少量・高薬理活性原薬(OEL≧0.1μg/m3)の製造が可能となりました。今回の生産体制の強化により、より幅広いニーズに対し、開発から商用生産まで一貫して対応していく。
新工場の概要は、建屋は鉄骨造地上1階 延べ床面積約860平方メートル。主要設備は主反応槽300L×2基、ろ過乾燥機1基、粉砕機1基、キロラボ20L製造設備1式、クラス100万クリーンルーム(反応/ろ過乾燥、粉砕、キロラボ)計3ユニット。管理レベル、OEL>0.1µg/m3(陰圧制御1次、2次封じ込め)、GMP対応。
 同社の医薬事業は、技術革新にあふれた「クスリづくり」を地域から発信し、すべての人々の健康に貢献することを目指している。これからも医療に貢献するため、自社共同研究開発による「創薬」と「原薬・中間体製造」を両輪として新しい医薬品の種となる化合物を創出していく。

新工場外観

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