三洋化成ら基本計画策定 技術力で世界の農業危機救う

2021年09月17日

ゴムタイムス社

 三洋化成工業は9月16日、同社とファーマフーズが、世界の農業危機の解決に向け、両社の開発・技術力を融合させた「アグリ・ニュートリション基本計画」を策定したと発表した。

 同社の界面制御技術およびファーマフーズの発酵抽出技術の融合により、バイオスティミュラントを活用した新たなペプチド農業を確立し、宮崎県新富町にて農業支援を本格展開していく。なお、同社は、同件に係る共同記者会見を9月21日に行う予定。

 2021年3月15日、同社とファーマフーズは資本業務提携を締結した。この包括的な提携後、4つの共同プロジェクトチームを発足させ、今後の事業展開を協議する中、今回プロジェクトの一つである「アグリ・ニュートリション事業」において基本計画を策定した。

 今回の「アグリ・ニュートリション基本計画」では、環境にやさしく植物にとって必要な成分(ペプチド・アミノ酸等)を、効率的な方法で植物に届け(デリバリー)、植物が本来持っている収量・品質ポテンシャルを最大限に引き出すことで、環境負荷の高い肥料や農薬の使用量低減等に繋げていく。同社とファーマフーズは、脱炭素および食と環境の安全・安心を実現する農業を目指して、①バイオスティミュラントによる農産物の収量・品質・耐性向上、②界面制御技術によるバイオスティミュラントの散布効率の最大化、③有用加工技術による未利用部位の高付加価値化、といった取組みを行っていく。

 同社は界面制御技術を根幹としたペプチド農業などの技術確立を行い、ファーマフーズはバイオテクノロジーを根幹とした農作物の高付加価値化技術とともに、通信販売事業を通じて得た流通ノウハウを活用する。今後、両社で持続可能なアグリ・ニュートリションの実現を目指していく。

 同社とファーマフーズは2021年3月15日に資本業務提携を締結し、両社が2億円ずつ互いの株式を取得している。今回、「アグリ・ニュートリション事業」での本格展開を機に資本関係の強化を図り、互いの株式2億円ずつを市場買い付けで追加取得する。同社は、両社の関係を強め協業を推進し、互いの企業価値向上を目指すとしている。

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