ゴム補強材新接着剤を開発 東レ、植物由来成分原料で

2021年07月28日

ゴムタイムス社

 東レは7月27日、同社が環境負荷物質不使用かつ植物由来成分を原料とした新規接着剤を開発し、東レ・デュポンおよび東レハイブリッドコードがその接着技術を確立したと発表した。

 同社は、長期的に暴露した場合に身体に影響を及ぼす可能性があるレゾルシン・ホルムアルデヒド(RF)を含まず、かつ植物由来成分からなる環境配慮型のゴム補強繊維用の新規接着剤を開発した。また、東レハイブリッドコードにて同接着剤を使用したゴム補強用繊維製品(コード)の加工生産のための新たな接着技術を確立し、東レ・デュポンが製造販売するアラミド繊維への加工など、同社グループの保有する高機能繊維を用いたゴム補強用繊維製品(コード)のラインナップを拡充する。同社グループは、産業界で幅広く使われるゴム補強用繊維製品について、接着加工プロセスでの環境負荷低減と非石化原料の接着剤を使用することによるGHG排出量削減の両方で地球環境問題の解決に貢献する。

 今回、同社が開発した接着剤は、従来から保有する合成繊維とゴム組成物を接着する基本技術をベースに接着剤の組成の最適化を行うことにより、RFL接着剤と同等の接着性能を有しながら、RFを含まない新規の接着剤となる。これにより、合成繊維への接着剤加工プロセスでのRFの排出を抑えることで環境負荷を低減することができ、また接着剤の成分に植物由来原料を用いることから、従来の手法に比べGHG排出量を抑えることができる。さらに、この接着剤は、炭素繊維やビニロン繊維等の他の合成繊維とゴム組成物の接着にも用いることができ、非常に応用範囲が広いことも特徴となっている。

 同社グループは、国内において原糸の開発、生産、接着技術開発、接着加工生産(タイヤコード・ゴム資材補強コード生産)の一貫体制を有し、顧客の多種多様なニーズに対応する技術を開発し素材(コード)を販売している。今回開発した新たな接着剤は、コードの生産時に既存の生産設備を活用できることから、今後の合成繊維とゴム生成物の接着における標準的な加工材料として活用し、顧客のニーズに応じた種々のコードの開発と販売を進めていくとしている。

 

タイヤコード(RFL接着剤)

タイヤコード(RFL接着剤)

新規接着剤によるタイヤコード

新規接着剤によるタイヤコード

自動車ホース用コード(RFL接着剤)

自動車ホース用コード(RFL接着剤)

新規接着剤による自動車ホース用コード

新規接着剤による自動車ホース用コード

 

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