ウレタンフォーム原料開発 三洋化成、低反発寝具用で

2021年07月01日

ゴムタイムス社

 三洋化成工業は6月30日、低反発でありながら、通気性に優れ、低温でも柔らかさを維持するウレタンフォームを提供できるウレタンフォーム用原料「サンニックスFA―817C」「サンニックスFA―817T」を開発したと発表した。

 低反発フォームは、体圧分散性に優れることからオーバーレイマットレスや枕などの寝具に使用されており、同社は通気性や低温での柔軟性といった機能を付与することで、より快適な睡眠の提供に貢献していくとしている。

 軟質ポリウレタンフォームは、ポリオールとポリイソシアネートを主成分として発砲させた製品で、寝具のマットレスや枕の他、ソファーなどの家具や自動車用クッション、衣料用等に広く使用されている。同社が開発した「サンニックスFA―817C」「サンニックスFA―817T」は、軟質ポリウレタンフォーム用のポリオールで、同製品を用いた軟質ポリウレタンフォームは室温で優れた低反発性を発現しながらも通気性に優れ、発汗による蒸れを抑制できる。また、フォームの硬さの温度依存性が低く、低温でも硬くならないことが特長となっている。

 従来は、フォームの低反発性を維持するために、ポリオールの官能基あたりの分子量を低くして粘性を向上させるなどの方法が主流だったが、この方法で得られるフォームは通気性が低いことが課題だった。同社は、エステル基を有するポリオールなどを適度に併用するなどして低反発性による体圧分散性を維持しながら、通気性を向上することに成功した。また、フォーム硬度の温度依存性を下げ、低温時でも硬くならないように最適な分子設計を行った。

 同社は、「サンニックスFA―817C」「サンニックスFA―817T」を日本だけでなく海外に広く展開し、快適な睡眠をサポートして人々の健康的な暮らしに貢献する。今後も同社は、引き続き高機能なポリウレタンフォームを通じて、様々なニーズに対するソリューションを提供していくとしている。

 

同社従来品とのの通気性比較

同社従来品との通気性比較

硬度の温度依存性

硬度の温度依存性

 

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