三井化学、BASFと協業検討 ケミカルリサイクル推進で

2021年06月02日

ゴムタイムス社

 三井化学は6月1日、BASFジャパンと同社が、日本でのケミカルリサイクルの推進に向けた協業検討を開始したと発表した。両社は、バリューチェーン横断的な連携を通じて、日本国内におけるプラスチック廃棄物のリサイクル課題に応えるケミカルリサイクルを日本で事業化することを目指し、共同ビジネスモデルを含めあらゆる可能性を検討していくとしている。

 同社は化学企業として社会に貢献し続けるため、2050年カーボンニュートラル目標を掲げている。また、気候変動とプラスチック問題を一体の課題として捉え、リサイクル技術・システムの開発とバイオマス製品ラインナップの拡充により循環経済の実現を目指している。同社の平原彰男ESG担当常務執行役員は、「日本においてもプラスチック問題は大きな社会課題であり、バリューチェーン全体での社会変革を求められている。BASFが欧州で実証しているケミカルリサイクル技術は価値あるソリューションであり、当社が持つ技術やエチレンクラッカーなどのアセットと組み合わせることで、循環経済の実現に向けた大きな布石になるものと思っている」と述べている。

 近年、カーボンニュートラルやプラスチック資源循環に向けた取り組みが世界的に加速している。こうした中、日本においては2020年12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定されるなど、リサイクルの重要性が一層高まっている。中でも、ケミカルリサイクルはマテリアルリサイクルを補完するソリューションとして注目されている。

 BASFは、サステナビリティを経営の根幹に据えている。「ChemCyclingプロジェクト」では、プラスチック廃棄物を、化学品製造の原料として使用可能な熱分解油に変換する革新的なプロセスをもつ技術パートナーと協働している。

 同社は今後、BASFと同社が各関係省庁・業界団体とも、日本におけるケミカルリサイクルの社会実装に向けた協議を加速していくとしている。

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