高分散性・低比表面積シリカ エボニック、開発を発表

2021年05月17日

ゴムタイムス社

 エボニックは5月13日、独エボニック・インダストリーズが、冬用タイヤの雪道やぬかるみでのトラクションを大幅に改善し、安全性を高める充填剤「ウルトラシル4000GR」を新しく開発したと発表した。ウルトラシル4000GRは、高分散性を実現した初めての低比表面積シリカで、これによりタイヤトレッドのシリカ充填量をきわめて高くすることが可能になり、従来のシリカを使用したタイヤと比べ、トラクションをさらに向上することができる。

 同社でラバーシリカのシニアバイスプレジデントを務めるベルンハルト・シェーファー氏は、「ウルトラシル4000GRの特徴は、高分散性と低比表面積を併せ持つことで高充填量を可能にした製品設計だ」と述べている。同シリカは、充填量にかかわらず、容易にゴムコンパウンド中に分散できる。「短時間の混練工程でも良好なシート性状を示す、まとまりの良いゴムを作ることが可能となる」とシェーファー氏は説明している。

 新たなウルトラシルのグレードは、タイヤトレッドやサイドウォールの他に、工業用ゴム製品や靴底などタイヤ以外の用途でも使用することができ、省資源製造工程や優れた製品特性など、メーカーにとってさまざまなメリットをもたらす。

 同社はウルトラシルブランドのもと、個々の用途に合わせた多様な特性と粒径の、幅広い種類の充填剤を世界中に供給している。

 ウルトラシル4000GRは、当面はトルコの北部にある、同社アダパザル工場に新設された湿式シリカ生産ラインで製造される。この生産ラインは、同社のタイヤ業界でのグローバルパートナーとしての地位を強化するもので、2019年秋に操業を開始した。シリカの年間生産能力を大幅に拡大し、約40名の雇用を創出した。

 シリカは同社の4つ成長戦略の柱の一つに位置付けられており、スマートマテリアルズ部門に属している。取り扱っているインテリジェント製品は、多くの材料のパフォーマンスを向上するのに役立っている。

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