医療機器事業は微減 不二ラテックスの21年3月期

2021年05月17日

ゴムタイムス社

 不二ラテックスの21年3月期連結決算は、売上高が68億5000万円で前期比5・0%減、営業利益は2億6900万円で同652・9%増、経常利益は2億2600万円で同569・1%増、当期純利益は1億7000万円(前年同期は2600万円の損失)となった。
利益面については、生産合理化と投資計画の見直しや諸経費の節減を実施したことにより、大幅な増益となった。

 セグメントのうち、医療機器事業の売上高は21億4500万円で同2・0%減、セグメント損失は7300万円(前年同期は1億9500万円の損失)。
 主力のコンドームは、国内市場では消費の減少傾向、価格の二極化、新素材製品のシェア上昇傾向が続き、天然ゴム素材製品を主体とする同社は厳しい展開を余儀なくされたが、新素材コンドームSKYNが好調だったことや、ネット販売の伸長により増収となった。輸出については、海外市場での景気足踏みに伴う在庫調整により受注が減少し、大幅な減収となった。利益面では不採算製品の見直し、生産歩留まりの向上、販売費節減へ継続的に取り組んだ結果、前期比で改善した。
 メディカル製品は、下半期に売上が回復したものの、上半期の緊急事態宣言下での一般診療の急減に伴う需要急減や、ロックダウンによる欧州への輸出停止の影響が大きく、通年では減収となった。利益面では、生産部門・販売部門一体による効率化、費用削減、生産歩留まり向上策により、増益となった。

 精密機器事業の売上高は42億円で同5・2%減、セグメント利益は7億3100万円で同6・5%増となった。
 主力の小型ショックアブソーバおよび小型ロータリーダンパーは、より一層の製品バリエーション強化と性能面の進化により若干の減収にとどまった。また、免制振機器は販路強化や地震発生による防災意識の高まりにより増収となった。

 22年3月期の連結業績見通しは、売上高が76億円、営業利益が4億2800万円、経常利益が3億8700万円、当期純利益が1億4600万円を見込んでいる。

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