高機能材事業で増収増益 タキロンシーアイの21年3月期

2021年05月11日

ゴムタイムス社

 タキロンシーアイの21年3月期連結決算は、売上高が1344億7000万円で前期比3・6%減、営業利益は85億1100万円で同15・4%増、経常利益は88億700万円で同15・7%増、当期純利益は53億3200万円で同59・3%減。当期純利益は、前年度に連結子会社における固定資産の譲渡による特別利益を計上した反動があり減益となった。
 建築資材事業セグメントは、売上高が421億4700万円で同9・0%減、営業利益は20億6900万円で同38・0%減。住設建材事業は、主力のポリカーボネート製採光建材および住設資材において、コロナ禍における巣ごもり需要によりホームセンター向けの販売は引き続き堅調に推移したが、新設住宅着工戸数の低迷が影響し減収となった。また、サイン事業についても企業向け需要が大幅に落ち込み、事業全体としては減収となった。床・建装事業は、床部門において、コロナ禍によるマンション改修工事案件の中止、延期の影響が大きく減収となった。建装部門においても、国内の建築物件向けは大きく落ち込み、海外向けが一部回復基調にあるものの、北米、中国市場の回復がみられず、事業全体としては大幅な減収となった。
 環境資材事業セグメントは、売上高が549億3000万円で同1・3%減、営業利益は23億2900万円で同68・7%増。アグリ事業は、年度末に一部ハウス用資材で値上げ前の駆け込み需要等があったものの、総じて前年風害需要の反動やコロナ禍による生産者買い控え、事業物件の遅れ、延期等の影響から本格的な需要回復には至らず、農業用フィルム・ハウス関連資材ともに減収となった。インフラマテリアル事業は、コロナ禍と大雪による工事遅延の影響が依然として続いたため、わずかに減収となったが、災害復興需要や更生管事業は堅調に推移したこと、ハウエル管の大型物件への販売が好調を維持したこともあり、利益は大きく伸長した。
 高機能材事業セグメントは、売上高が174億7800万円で同1・2%増、営業利益は18億300万円で同37・3%増。高機能材事業は、半導体製造設備の需要拡大を受けて、主力の工業用プレートが急回復した。PETプレートも飛沫防止パネル向けを中心に好調を持続した。ナノ材料は通信機器やデータセンター設備の旺盛な需要に牽引され伸長した。一方、光学用ポリカーボネートシート、眼鏡フレーム材料は一部で持ち直しの兆しがあるものの、コロナ禍の影響により減収となった。
 機能フィルム事業セグメントは、売上高が194億6400万円で同1・1%減、営業利益は19億8400万円で同71・7%増。ボンセット事業は、シュリンクフィルムが国内販売および欧州市場で苦戦し、北米市場のコロナ禍における巣ごもり需要があったものの減収となった。サンジップ事業は、ジッパーテープが日本国内、アジア、欧米を中心に堅調に推移し、増収となった。
 22年3月期の連結業績見通しについては、売上高が1400億円で同4・1%増、営業利益は80億円で同6・0%減、経常利益は82億円で同6・9%減、当期純利益は55億円で同3・1%増を見込んでいる。

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