ゴム・樹脂手袋特集　三興化学工業　医療現場で手袋の使用頻度高まる　グローブボックス用は海外向け好調

　　手術用手袋や工業用手袋を手掛ける三興化学工業（広島県大竹市、縄田正一社長）の20年度業績は前年度比３割程度の増収、利益も大きく改善し、増収増益となった。　昨年４月に社長に就任した縄田社長は「コロナ感染拡大を受け、医療現場で使い切り手袋の使用頻度が高まったことや、需給のひっ迫からＮＢＲ（ニトリルゴム）を中心に原料メーカーが値上げしたことを受け、販売価格に転嫁せざるを得なかったことも増収につながった」と20年度業績を振り返った。

　商品別にみると、手術用手袋は、コロナ対応に追われた医療機関では急ぎでない手術を延期するケースが増え、手術件数自体は増えていないが、コロナ禍使い切り手袋の確保に動いた医療機関が多く、販売増につながった。　

　同社は「サンコーシルキーフィット」などの天然ゴム製と、「サンコーシルキーフィットラテックスフリー」など合成ゴム製の手術用手袋を生産している。