新型コロナ変異株検出システム デンカ、共同で検証実験開始

2021年04月20日

ゴムタイムス社

 デンカは4月19日、同社が株式の33・4%を保有し業務提携をしている台湾のPlexBio社と共同開発した新型コロナウイルスの変異株を検出する試験研究用試薬を用いて、東邦大学医学部と変異株検出システムの検証実験を開始したと発表した。

 同システムは、PlexBio社の高感度かつ同時多項目測定が可能なIntelliPlexシステムと、πコード技術を応用している。

 世界的な新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、国内においても変異株拡大が問題になりつつある中、測定にかかる手間や多くの検体の処理に要する時間といった課題があるとされている。この変異株検出システムは、1種類の試薬でイングランド型、ブラジル型、南アフリカ型、カリフォルニア型と呼ばれる変異株の持つ複数種類の変異部位を同時に検出することが可能であることから、測定機関における測定の手間の軽減や迅速な検出に繋がることが期待される。

 同社は、試験研究用試薬の試作品とPlexBio社の理化学用測定装置を用いて、東邦大学医学部の舘田一博教授・石井良和教授(微生物・感染症学講座)と共同で検証実験を開始し、その初期段階において良好な結果が得られている。1~2ヶ月以内に、測定機関に向けて変異株検出システムとしての販売を目指す。

 同社は、新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援のもと、様々な角度から感染症対策に貢献する取り組みを進めている。πコード技術のもつ高感度検出・多項目同時測定という特長を最大限に活かして、疫学研究の発展を通じて人々のQOL向上に貢献し、「真に社会に必要とされる企業」を目指していくとしている。

 

πコードイメージ図

πコードイメージ図

理化学機器(試験研究用)検出装置

理化学機器(試験研究用)検出装置

同洗浄・反応装置

同洗浄・反応装置

 

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