宇宙分野にCFRP部材提供 三菱ケミカル、ダイモン社と提携

2021年04月20日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルは4月14日、民間企業として世界初となる月面探査の実現を目指す、ロボット・宇宙開発ベンチャーのダイモンとの間で、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部材及び熱可塑性樹脂材料の提供や技術支援を内容とするパートナーシップ契約を締結したと発表した。その一環として、2021年秋に打ち上げ予定の月面探査車関連部品に、同社のCFRP部材が使用される予定。

 宇宙分野で使用される機器は、打ち上げや宇宙空間などの過酷な環境での使用に耐える強度や剛性、耐熱性が求められることに加え、1kgあたり1億円ともいわれる月面への輸送コスト低減のため、部材の軽量化も大きな課題となる。これまで主にアルミ素材が使われてきたが、強度と軽さを兼ね備えるCFRPの普及が期待されている。

 既に人工衛星など宇宙分野でのCFRP部材の採用実績を有する同社は、ダイモンとの提携により、宇宙空間や月面での使用実績を積み重ね、製品開発と月面基地部材など用途開発を加速する。

 同社は今後も、発展が見込まれる宇宙分野への展開を積極的に進め、事業の成長を図っていくとしている。

 

月面探査車「YAOKI」

月面探査車「YAOKI」

 

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