発泡倍率100倍の発泡体 積水化成品が開発、上市

2021年04月01日

ゴムタイムス社

 積水化成品工業は3月29日、省資源化に貢献する発泡倍率100倍のビーズ法ポリスチレン発泡体を上市したと発表した。

 ビーズ法ポリスチレン発泡体は、優れた断熱性・軽量性・緩衝性、加工の容易性などから、魚箱や農産箱・建築資材・土木資材として広く使われている。従来品は発泡倍率90倍程度が限界であり、100倍を超える発泡体の実現は、原材料の削減や軽量化による省エネルギー効果が見込める一方で、発泡助剤の添加量を増やす、発泡工程を複数回行う、といった環境への負荷が増すという課題があった。

 同社が今回開発した発泡倍率100倍のビーズ法ポリスチレン発泡体は、従来の課題を解決した製品となっている。総体積の99%が空気、1%がポリスチレン樹脂で構成される省資源素材であり、構造材や緩衝材として使用される90倍発泡の同社従来品と比較して10%の軽量化を実現している。独自のポリマー重合技術と発泡技術を深化させ、通常の製造工程での生産を可能としたことで、プラスチック使用量を削減するとともに、環境への負荷も低減した。

 この100倍発泡体を製造する原料「エスレンビーズHCMH」は、すでに販売を開始しており、浮力と剛性に優れた大型の発泡ブロックを生産できることから、現在、水上ソーラーの浮力材として採用されている。原材料の省資源化によって環境負荷低減を実現しているほか、水上ソーラーの訴求を通じて、再生可能エネルギーである太陽光発電の推進にも寄与している。

 同社は今後、食品用途をはじめとする幅広い分野での展開を目指し、サスティナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の普及を通じて、持続可能社会への貢献に努めていくとしている。

100倍発泡体(左)と非発泡

100倍発泡体(左)と非発泡

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