トヨタ「MIRAI」に採用 東亞合成の高機能接着剤2品

2021年02月09日

ゴムタイムス社

 東亞合成は2月1日、トヨタ自動車が2020年12月から販売開始した燃料電池自動車 新型「MIRAI」に、同社の高機能接着剤2製品が採用されたと発表した。採用された製品は、UV硬化型接着剤「アロニックスUVX」と、特殊変性オレフィン系ホットメルト「アロンメルト」。

 同社製品である光硬化型樹脂「アロニックス」をベースとするUV硬化型接着剤「アロニックスUVX」は、燃料電池セル内の接着が困難な電解膜とセル内部品との接着性や接着剤使用工程上の塗布性を高め、燃料電池内部でのガスのリークを防ぐ接着シール効果を発現する。また、UV硬化により組立工程時間を大幅に短縮し生産性向上にも寄与する。

 特殊変性オレフィン系ホットメルトである「アロンメルト」は、燃料電池セルで用いられる金属セパレーター同士を強固に接着し、ガスの流路を確保する。

 燃料電池自動車は、数百枚積層された燃料電池セル内で水素と酸素を反応させることにより発生した電気を用い、モーターを駆動して走行する。今回開発した高機能接着剤2製品は、燃料電池セル内での水素と酸素の流路を保ち、生成された水の排水性を高めるシールおよびセル内部品の接着を行うために使用される。いずれの接着剤も燃料電池自動車の心臓部ともいえる燃料電池の発電システムにおいて重要な役割を担っており、高耐久・高信頼性が要求される車載スペックも満たした。

 同社は、今後も燃料電池の性能や生産性の向上に資する研究開発を進めるとともに、同社徳島工場(徳島県徳島市)の電解工場から産出する水素を活用した燃料電池自動車向け水素ステーションの設置を推進するなど、燃料電池自動車の普及さらには2050年に向けた脱炭素社会の実現に貢献するとしている。

 

トヨタ新型「MIRAI」

トヨタ新型「MIRAI」

新型「MIRAI」の燃料電池ユニット

新型「MIRAI」の燃料電池ユニット

 

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