売上原価低減で減収増益 タキロンシーアイの4~12月期 

2021年02月09日

ゴムタイムス社

 タキロンシーアイの2021年3月期第3四半期連結決算は、売上高が984億8900万円で前年同期比5・5%減、営業利益は63億8600万円で同20・6%増、経常利益は65億9400万円で同20・5%増、純利益は前年同期に連結子会社における固定資産の譲渡による特別利益を計上した反動があり39億7700万円で同66・5%減となった。

 建築資材事業セグメントの売上高は313億1300万円で同11・0%減、営業利益は17億8000万円で同26・0%減。同セグメントのうち住設建材事業は、主力のポリカーボネート製採光建材および住設資材において、コロナ禍における巣ごもりによりホームセンターでの需要は引き続き堅調に推移したが、新設住宅着工戸数の低迷が続き減収となった。また、サイン事業についてもユーザーの広告宣伝費削減の影響を受け、企業向け需要が大幅に落ち込み、事業全体としては減収となった。床・建装事業は、床部門において、コロナ禍によるマンション改修工事の延期により減収となった。建装部門においても、コロナ禍により国内の建築物件向けは大きく落ち込み、海外については、欧州向けが回復基調にあるものの、北米、中国市場向け案件においてキャンセルや遅延が発生し、事業全体としての売上は大幅な減収となった。

 環境資材事業セグメントの売上高は398億1500万円で同3・9%減、営業利益は16億4600万円で同56・9%増となった。同セグメントのうち、インフラマテリアル事業は、コロナ禍による工事遅延の影響が依然として続き、12月に入ってからの大雪による工事遅延も発生したため減収となったが、災害復興需要や更生管事業の堅調な推移、ハウエル管の大型物件受注により利益伸長した。

 高機能材事業セグメントの売上高は123億5700万円で同2・7%減、営業利益は10億8000万円で同26・2%増となった。同事業セグメントは、半導体製造設備の需要回復を受けて主力の工業用プレートが増収となった。

 機能フィルム事業セグメントの売上高は146億8500万円で同1・3%増、営業利益は16億2500万円で同94・4%増となった。同セグメントのうち、ボンセット事業は、シュリンクフィルムが国内販売および欧州市場で苦戦したものの、北米市場のコロナ禍における巣ごもり需要により増収となった。サンジップ事業は、ジッパーテープが日本国内、アジア、欧米を中心に堅調に推移し、増収となった。

 通期の連結業績予想は前回発表からの修正はなく、売上高が1320億円で前期比5・3%減、営業利益が70億円で同5・1%減、経常利益が73億円で同4・1%減、親会社株主に帰属する純利益が40億円で同69・4%減を見込んでいる。

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