ゴム金型の現状と今後の展望

2021年01月26日

ゴムタイムス社

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
*記事で使用している図・表はPDFで確認できます。

特集1 ゴム金型の最新動向と製造・技術の留意点

ゴム金型の現状と今後の展望

関西ゴム技術研修所 山口幸一

1.はじめに
 ゴム製品の製造加工工程である加硫成形工程は、ゴムの製造工程中最も重要な工程で、製品の特性を充分に発揮させるために、過不足なく加硫することである。この加硫成形工程では多くのゴム製品の製造にゴム金型を使用して行い、素練り、混錬、予備成形されたゴム配合物を、金型を用いプレス加硫成形機、トランスファー成形機、射出成形機で金型加硫成形を施している(図1)1)。金型を使用する加硫・成形工程は、高温・高圧下で、加硫反応(架橋反応)と成形を行うもので、得られた成形品の良し悪しは、配合設計と金型の精度などの良し悪しおよび加硫成形条件で決まるものである。ここでは、金型加硫成形に使用されるゴム金型の現状と今後ゴム製品の加工工程は、ゴム種の選定、配合設計、素練り、混錬工程、予備成形工程、の展望について述べる。

2.ゴム用金型の現状
 日本のゴム産業は、2018年の新ゴム消費量は133.29万tで、その中で80%は自動車タイヤ・チューブが、残り20%はゴムホース、スポンジ製品、防振ゴム、パッキン類、ゴムベルトなどが製造されている2)。ゴム材料は、天然ゴムが52%、合成ゴムが48%使用されている。これらゴム材料の加硫には色々な方法があり、1910年代から金型によるゴムの加硫成形が実施されている3)。
 ゴム金型は従来、金型製造メーカーに任せて作製していたが、今日

 

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