放熱用シリコーンを開発 信越化学、電動車化に対応

2021年01月21日

ゴムタイムス社

 信越化学工業は1月21日、世界的に加速する自動車の電動化に対応するため、電気自動車(EV)とハイブリッド自動車(HEV)向けの放熱用シリコーン材料を開発したと発表した。
 
 このほど開発した材料は、低硬度放熱シリコーンパッド「TC―PENシリーズ」と低硬度・高復元性放熱シリコーンパッド「TC―SETシリーズ」の2種類。2種類とも放熱性を向上させるために特殊フィラーを配合した、絶縁性に優れた放熱シリコーンゴム加工品TCシリーズに含まれる。TCシリーズは弾力性があり、発熱体やヒートシンクとの密着性がよく、高い放熱効果を発揮する。

 「TC―PENシリーズ」は、独自の技術で低密度化したことで、従来品と同等の放熱性能と作業性を保持したまま、従来比で約15%の軽量化を実現(TC―PEN3タイプ)。軽量かつ柔軟性に優れているため、リチウムイオンバッテリーなど、大きな面積で使用される部位や凹凸のある発熱素子の放熱に適している。

 「TC―SETシリーズ」は、これまで技術的に難しかった低硬度と高復元性を両立させました。このため、車載品で長期にわたり耐振動性、高復元性が要求される各種電子デバイスの放熱に適している。

 放熱用シリコーン材料はパッドタイプのほかに、ゴムシートタイプ、グリースタイプ、ギャップフィラータイプ、液状ゴムタイプ(接着剤・ポッティング剤)などの各種製品を品揃えしている。

 同社では、多種多様な放熱用シリコーン材料を顧客に提案できるシリコーンのメーカーとして、さまざまな熱対策の要求に応えていく。

 また、同社は熱解析技術によるテクニカルサポートやIATF16949:2016(自動車産業向けの品質マネジメントシステム)認証工場での製造・加工を開始するなど、顧客の高度化する要求に対応していく。

 自動車の電動化に伴い、リチウムイオンバッテリーや各種電子制御装置向けの熱対策への要求は、ますます高度化し多様化。また、世界的に自動車の電動化が加速するなか、放熱材料の使用量が増加し用途が拡大している。

 同社は、このような市場環境に対応し、EV・HEV向けの高度な熱対策の要求に応えるため、低密度・低硬度放熱シリコーンパッド「TC―PENシリーズ」および低硬度・高復元性放熱シリコーンパッド「TC―SETシリーズ」を開発した。

電子デバイスの放熱(TC-PEN3タイプ)

 

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