年頭所感 東レ 日覺昭廣社長

2021年01月06日

ゴムタイムス社

◆経営環境
 昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に大きな打撃を及ぼした。世界中の経済活動が同時に停滞するという誰もが未経験の事業環境において、東レグループ社員の皆さんが日々の事業活動に真摯に取り組んできたことに改めて感謝申し上げる。経済再開に伴い、世界の景気動向は回復基調にあるものの、コロナ禍における事業環境はいまだに不透明である。
 想定される事業環境に対応するための事業課題と実行計画を全社で共有し、しっかりとベクトルを合わせて確実に計画を達成していく。

 ◆長期経営ビジョンと中期経営課題について
 2020年5月に長期経営ビジョン“TORAY VISION2030”(ビジョン2030)と中期経営課題“プロジェクトAP―G2022”(AP―G2022)を発表し、その取り組みを開始した。
 ビジョン2030は2018年に発表した「東レグループサステナビリティ・ビジョン」に示す2050年に向けて東レグループが目指す世界を実現するために、地球規模の課題を革新的な素材の力で解決し、企業価値を高めていくためのマイルストーンであり、私たちが目指す「持続的かつ健全な成長」を実現するための統一指針であ
る。
 AP―G2022は2020年度から2022年度までの3年間にやるべきことを掲げた成長を実現す
るための中期の「課題」である。AP―G2022の主題である「強靱化と攻めの経営」は、「持続的かつ健全な成長」の実現に向けて、「攻めの経営」を継続しつつ、財務体質強化など「攻めのための守り(=強靭化)」を両輪で実行するものである。新型コロナウイルスの感染拡大により生産活動・消費行動・物流が停滞し、不確実性が増大する事業環境下において、経営基盤を一層強化していく方針である。

 ◆「東レ理念」について
 ビジョン2030の策定に合わせて、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」という企業理念をはじめとする、東レグループを支えてきた経営思想を「東レ理念」として体系化した。
 「東レ理念」は、創業以来継承されてきた先人の意思と経営姿勢であり、私たちが受け継ぎ、そして将来に伝えていく東レグループの財産である。東レグループの持続的成長をグローバルに実現するため、グループ共通の価値観として「東レ理念」の理解と共有に取り組み、全社員が東レグループで働いていることに誇りを持てる職場風土の醸成を目指していく。
 
 ◆2021年の経営方針
 東レグループは素材メーカーとして、コロナ禍においてもこれまでの経営姿勢を貫き、革新技術での新市場創出を進めて付加価値の高い製品を世界に提供していく。
 今年も東レグループ社員一人ひとりが、先端材料で社会を変えるという高い志を持ち、「事業を通じた社会貢献」という創業以来受け継いできた「東レ流の経営」を実践し、豊かな社会の実現に貢献することに誇りを持って仕事に取り組むことができるようにしていきたい。

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