高耐熱グレードの開発を発表 三菱ケミカルのシリコーンゴム

2020年12月03日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルは12月1日、シリコーンゴムフィルム「珪樹」について、従来グレードよりも耐熱性を高めた新グレードを開発したと発表した。12月2日から4日にかけて幕張メッセで開催される「高機能フィルム展」にて正式に紹介する。

 「珪樹」は、同社独自の加工技術により生まれたフィルム状のシリコーンゴムで、薄膜かつ膜厚精度が高いという特徴を有している。加えてポリエステルフィルムをはじめ異種材料との積層や表面加工が可能であり、産業機器向け部材や工程部材として長年にわたり評価を得ている。

 今回開発した高耐熱グレードは、近年の各種電子機器の小型集積化や熱マネジメントの要求に伴い、高温プロセスを検討する顧客のニーズに対応した新グレードとなっている。耐熱性を高めたシリコーンゴムと耐熱基材の2層構造であり、総厚50~500μmの極薄ながら300度C環境下で繰り返し使用することができる。シリコーンゴムの特徴である緩衝性、離型性は活かしつつ、耐熱基材を有することにより、ハンドリング性の向上や応力下の横ずれ防止効果が期待でき、従来グレード同様に顧客の要望に応じて厚さやゴム硬度の調整も対応可能となる。

 同社は今後も、ますます多様化・高度化する顧客のニーズに応じるべく、シリコーンゴムフィルム「珪樹」の研究開発を一層推進し、ラインナップの拡充に努めていくとしている。

 

高耐熱グレードの層構成

高耐熱グレードの層構成

 

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