【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情55 WITHコロナの仕事のあり方や海外駐在員の現状(後編) 加藤進一

2021年01月01日

ゴムタイムス社

 前回は、私が代表を務める加藤事務所の例を挙げつつ、国内の状況を伝えしましたが、海外ではどうでしょうか。新型コロナウイルス感染者の拡大が一番大きいインドでは、日系会社は5月に駐在員をほぼ全員に帰国させました。大手商社も日本人を帰国させましたが、三菱UFJ銀行だけはインドに残ったそうです。現地の医療体制が不安なため、もしコロナに感染した時のことを考えたからです。ところが8月に入り、生産会社は少しずつ駐在員をインドに戻しました。特に製造や品質保証の部門の人です。インドのローカルの人に任せておくと心配な面があるからだとも言われています。成田―ニューデリー間は公式にはフライトは欠航ですが、月に2便ほど特別便が飛び、戻る駐在員が乗っています。インドに着くと、当然14日間の隔離生活です。これはインド政府が用意した宿泊所でホテルではありません。これが大変辛いのです。

中国もいったん引き上げた日本人駐在員をそろそろ戻す動きが出ています。中国では、もうコロナは過去の話になり、町でマスクをする人はあまりいません。大手スーパーでは入口でマスクをしているか、また体温のチェックがありますので、入口を通過するときだけマスクをします。すでに自動車生産は一年前の同月と比較して10%以上の増加となり、ゴム部品の生産も好調です。駐在員も早く戻りたいのですが、これも大変です。

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