高分子デバイス研究室を設立 住友理工、産総研と共同で

2020年10月02日

ゴムタイムス社

 住友理工は10月1日、同社と産業技術総合研究所(以下「産総研」)は共同で同日、産総研のつくばセンター内に「住友理工産総研先進高分子デバイス連携研究室」を設立したと発表した。

 連携研究室は、同社が培ってきた先進技術と産総研の研究開発の成果を融合することによって、生活全般における人々の安全・安心・快適に寄与することを目的として設立した。具体的には、センシングデバイスを実装した車両を用いて、実際の走行を再現した実験研究を行い、生体の情報や状態をどこまで推定可能かを明らかにする。その中で総合評価技術の高度化を図り、開発途上にある各種技術を確立して高付加価値の製品群とソリューションを創出することにより、グローバル・システムサプライヤーとしてモビリティ社会のさらなる発展に貢献することを目指す。

 研究開発課題の具体例として、ドライバーモニタリングシステムが挙げられる。「スマートラバー(SRセンサ)」をシートに内蔵、もしくはクッション形状に加工してシートの座面に設置し、SRセンサで計測した座面の圧力変化からドライバーの心拍・呼吸・体の動きなどを検知する。その結果から、疲労や居眠り、急病予兆などドライバーの状態を推定し、警告や運転支援システムの作動、外部への通報などのサービスへつなげる。また、自動運転の安全性確保に寄与するステリングタッチセンサーと、入力を検知するとさまざまな振動で伝えるハプティクスインターフェースは、いずれも、柔軟で電気を通す「SRセンサ」を活用したセンシングデバイスで、ドライバーモニタリングシステム同様、製品化に向けた技術開発を加速させている。

 近年、自動車業界は「CASE」をはじめ、従来にない全く新しい機能や役割を自動車に付与する100年に一度の大変革期を迎えている。同社は、CASEの進展によって生まれるニーズをビジネスチャンスとして取り込むため、主力製品である防振ゴムやホースの研究開発で積み重ねてきたコアコンピタンスを他分野にも応用し、このパラダイムシフトに応えうる技術・製品を生み出している。

 

 

ドライバーモニタリングシステム

ドライバーモニタリングシステム

ステリングタッチセンサー

ステリングタッチセンサー

ハプティクスインターフェース

ハプティクスインターフェース

 

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