HPCI利用優秀成果賞受賞 住友ゴム 「京」活用の研究

2020年09月17日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は9月16日、スーパーコンピュータ「京」を活用して取り組んだ研究「タイヤ用ゴム材料の大規模分子動力学シミュレーション」が、HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)利用研究課題優秀成果賞を受賞したと発表した。10月29日~30日にオンラインで開催予定の高度情報科学技術研究機構主催「第7回「京」を中核とするHPCIシステム利用研究課題成果報告会」で成果発表および受賞式が行われる。

 同社では、より高い安全性を備え環境負荷低減に貢献できるタイヤ開発を目標に、2012年より「京」を活用して大規模分子動力学シミュレーションを行いゴム材料の研究開発を進めてきた。今回受賞した研究は、ゴム材料に添加するシリカとカップリング剤の結合の仕方がゴム材料の強度に及ぼす影響を明らかにしたもので、ゴムの耐摩耗性向上に繋がる成果を得たもの。今後は、このシミュレーションの成果を新たなゴム材料および商品の開発に活かしていく。

 また、さらに高い安全性と環境負荷低減を両立したタイヤ開発を進めるため、シミュレーションにおいては、2021年から本格的に共用開始される「京」の後継となるスーパーコンピュータ「富岳」の活用も見据え、取り組みを進めていくとしている。

 「HPCI利用研究課題優秀成果賞」は、「京」と全国の大学や研究所などに設置されているスーパーコンピュータを高速ネットワークで結び、多様なニーズに応える共用計算環境基盤であるHPCIを利用し、前年度に実施された産業利用課題、一般課題、および若手人材育成課題の中から、成果報告会プログラム委員会によって選出された特に優秀な利用成果に与えられる賞。2020年度は8課題が受賞した。

 

ゴムの変形シミュレーション

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