ゴムの供給連鎖を追跡可能に コンチネンタルとBMZ

2020年09月04日

ゴムタイムス社

 コンチネンタルは9月3日、ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)と同社が、インドネシアでのゴムの栽培から加工、タイヤ生産に至るまでのサプライチェーンを初めてシームレスで電子的に追跡可能にしたと発表した。

 同社は、特にインドネシア、ボルネオ島の西カリマンタン州でGerman Development Cooperationに協力している。カプアス・フールー地区には、ユネスコの生物圏保護区に指定されている広大な自然林を持つ2つの国立公園がある。プロジェクトの関係者達は、デジタル・トレーサビリティ・システムを用いて、サプライチェーンのすべてのステップを文書化している。これまでに参加した450の小規模農家は、彼らが生産する高品質の天然ゴムで販売価格を通常よりも大幅に高めることができた。これは、「できるだけ多くのゴムを採取するためにはどのように木の切り付けを行えばよいか」などの、より良い技術と共に持続可能な栽培方法を身につけたことによるもの。小規模農家は、以前に比べ収穫量を大幅に増やし、1本の木からの採取期間をのばすことができるようになった。

 デジタル・トレーサビリティ・システムにより、ゴムの生産およびサプライチェーンを詳細に評価することができるようになった。GPSでマッピングされた生産エリア、生ゴムの配送、販売価格は、倉庫での納品時に直接システム内で文書化される。さらに、システムは、生産エリアに紐づけて納入された生ゴムの量をチェック。納入量が予想生産量を超える場合、システムはこれを表示する。このようにして、従業員は、違法に伐採された地域など、登録されていない地域からゴムがサプライチェーンに入るのを防ぐことができる。

 BMZと同社はともに、2019年3月に経済界と市民社会の天然ゴム分野で最も重要なプレーヤーが中心となって設立した「持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム(GPSNR)」のメンバー。他のメンバーとともに、天然ゴム分野における持続可能性の世界的な向上に取り組んでいる。

 

デジタル・トレーサビリティ・システムを活用

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