住友理工、薄膜高断熱材を開発 高断熱フィラーを塗料化

2020年09月03日

ゴムタイムス社

 住友理工は9月2日、高断熱フィラーを塗料化した塗布型の薄膜高断熱材「ファインシュライト」を開発し、製品化したと発表した。

 同社のコアコンピタンスである高分子材料技術を応用し、空気が動けないほど微細な、ナノサイズの細孔を持つ高断熱フィラー(シリカエアロゲル)を塗料化。不織布、成形樹脂などの基材にコーティングすることで、静止空気以上の高断熱性を発揮する薄くて柔軟な断熱材を開発した。

 同社は、熱の移動方法である対流・伝導・輻射のうち、対流に着目。固体で最も熱伝導率の低い物質であるシリカエアロゲルは、内部の細孔が空気の動けないほどの空間に仕切られており、空気が対流できないことにより熱伝導が抑制される。今回、このシリカエアロゲルを微細に粉砕した断熱フィラーとして加工。独自の高分子材料技術により、フィラーが高密度な状態を維持したままでの塗料化を実現し、塗膜として、静止空気の熱伝導率0・026W/mKを下回る、0・020W/mKを達成した。

 この製品については、不織布にコーティングしたシートタイプでの供給を始めた。狭い隙間や空間にも設置でき、軽量であることから、同社が主な事業基盤とする自動車向けへはもちろん、熱対策が必要な家電、住宅、保冷ボックスなど幅広い用途での断熱対策に寄与する。さらに、不織布以外にもさまざまな基材に応用が可能なため、さらなる製品展開を見据えた開発を進めていく。

 同社グループは、熱マネジメント分野での技術・製品開発を通じて、人々の暮らしにおける快適性の向上、エネルギー効率の向上に貢献していくとしている。

 

薄膜高断熱材「ファインシュライト」

薄膜高断熱材「ファインシュライト」

断熱フィラーの構造

断熱フィラーの構造

断熱フィラーを溶液に混ぜ塗料化

断熱フィラーを溶液に混ぜ塗料化

アルミ蒸着フィルムとの積層化

アルミ蒸着フィルムとの積層化

成形樹脂に塗布

成形樹脂に塗布