自動車関連不調で減収も増益 ユニチカの4~6月期

2020年08月28日

ゴムタイムス社

 ユニチカの2021年3月期第1四半期決算は、売上高は272億9000万円で前年同期比10・0%減、営業利益は15億6600万円で同7・0%増、経常利益は9億300万円で同17・3%減となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億1500万円(前年同四半期は20億4400万円の損失)となった。

 高分子事業は、新型コロナウイルス感染症拡大により、自動車関連用途などの販売が影響を受けた。フィルム事業では、包装分野は、土産菓子用途などのインバウンド需要は低調だったが、外出自粛、在宅勤務、休校などによる「巣ごもり需要」の影響により、食品や液体洗剤の詰め替えなどの用途は堅調に推移し、インドネシア子会社のP・T・EMBLEM ASIA(エンブレムアジア)も堅調だった。また、バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」などの高付加価値品は国内外で好調に売上を伸ばした。工業分野は、自動車関連用途など全般的に低調だったが、シリコーンフリー離型ポリエステルフィルム「ユニピール」などの高付加価値品の販売は堅調に推移した。樹脂事業では、自動車、電気電子、機械用途での生産減少及び市況停滞により需要が減少し、ナイロン樹脂の販売は低調。また、ポリアリレート樹脂「Uポリマー」も情報端末機器用途向けで伸び悩み、苦戦した。その他の機能樹脂の各素材についても低調だった。結果、高分子事業の売上高は101億2300万円で同14・4%減、営業利益は13億6400万円で同18・0%減となった。

 機能資材事業は、新型コロナウイルス感染症拡大により、医療用ガウンや一部の衛生材向けの販売は伸長したが、自動車、建築土木などを中心に多くの用途での販売が影響を受けた。活性炭繊維事業では、海外販売が減少したことに加え、自動車向け用途が減少し、浄水器用途も住宅向けなどで減少した。ガラス繊維事業では、産業資材分野は、透明不燃シートは堅調だったが、建築土木、環境関連、自動車などの各用途は低調。電子材料分野のICクロスは、情報端末機器用途は伸び悩んだが、テレワークの増加でパソコンや半導体用途は堅調に推移し、超薄物や低熱膨張タイプなどの高付加価値品も堅調だった。ガラスビーズ事業では、道路工事の休止や延期により、道路用途は減少し、工業用途も自動車向けを中心に低調で、反射材用途も苦戦した。不織布事業では、スパンボンド不織布は、タイ子会社のTHAI UNITIKA SPUNBOND CO・LTD・(タスコ)も含めて、建築、自動車などの各用途は低調だった。生活資材用途は医療用ガウン向けなどで伸長し、好調に推移した。スパンレース不織布は、医療用ガウンや除菌シートなどの用途が伸長し、スキンケア用品用途などの減少分をカバーした。産業繊維事業では、ポリエステル短繊維は、一部の衛生材用途は好調だったが、建材、自動車、生活資材の各用途は低調に推移した。ポリエステル高強力糸は、建築土木用途が低調だった。結果、機能資材事業の売上高は74億9500万円で同9・1%減、営業利益は1億8900万円(前年同四半期は4300万円の損失)となった。

 通期の連結業績予想は、現時点で新型コロナウイルス感染症の拡大が事業活動及び経営成績に与える影響を合理的に見積ることが困難であることから、未定としている。

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