帯電防止剤|プラスチック添加剤

2020年08月03日

ゴムタイムス社

1.概要
プラスチックは一般に帯電しやすく、帯電によるほこりや汚れの付着、OA機器類のノイズ発生などが大きな問題となっている。そのため、多くの帯電防止剤が開発され、プラスチックに添加されているがその大部分が界面活性剤である。

2.帯電防止剤の種類
●アニオン性界面活性剤:脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル、脂肪族アミン、アマイドの硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル塩、アルキルアリルスルホン酸塩類、ニ塩基酸脂肪族エステルのスルホン酸塩類で帯電防止能は、一般的に他の系統の界面活性剤より劣る。
●カチオン性界面活性剤:脂肪族アミン塩類、アルキルアミンサルフェートの第四級アンモニウム塩類、アルキルピリジウム塩などで帯電防止能が大きく、プラスチック練り込み用などに使用されている。第四級アンモニウム塩がもっとも帯電防止効果に優れるが、欠点は着色しやすいことである。
●非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン・アミド類、ソルビタン類(ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル)で耐熱性に優れ、プラスチックとの相溶性も良く、プラスチック練り込み用として使用される。
●両性界面活性剤:アルキルべタイン型、アルキルイミダゾリン型でアルカリ性、酸性どちらの条件下でも使用可能である。帯電防止能は比較的良好だが、熱に対する着色の問題がある。
●その他:最近、ABS樹脂などで永久帯電防止グレードが開発されている。ここで使用されているものは、吸水性の大きなポリアミドエラストマー系統のものなどである。

全文:約701文字

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー