シリコーンは減収増益 信越化学の20年3月期

2020年04月30日

ゴムタイムス社

 信越化学工業の2020年3月期連結決算は、売上高が1兆5435億2500万円で前年同期比3・2%減、営業利益が4060億4100万円で同0・6%増、経常利益が4182億4200万円で同0・7%増、純利益が3140億2700万円で同1・6%増となった。

 塩ビ・化成品事業の売上高は4843億円で同7・6%減、営業利益は921億円で同13・5%減となった。米国のシンテック社で塩化ビニル、か性ソーダともに高水準の出荷を継続したが、市況の影響を受けた。欧州拠点も販売数量の維持に努めたものの、市況の影響を受けた。国内拠点は堅調に推移した。

 シリコーン事業の売上高は2268億円で同2・8%減、営業利益は614億円で同5・0%増となった。機能製品を中心に拡販を進めたが、汎用製品の価格下落の影響を受けた。

 機能性化学品事業の売上高は1147億円で同5・2%減、営業利益は277億円で同4・2%増となった。セルロース誘導体は、医薬用製品は底堅く推移したが、建材用製品が振るわなかった。フェロモン製品は堅調な出荷となったが、ポバール製品は市況の影響を受けた。

 半導体シリコン事業の売上高は3876億円で同1・9%増、営業利益は1432億円で同8・6%増となった。半導体デバイス市場での調整局面が続いたが、販売価格と出荷水準の維持に努めたことで、増収増益となった。

 電子・機能材料事業の売上高は2251億円で同0・4%減、営業利益は685億円で同2・3%増。同事業の希土類磁石は、産業機器向けが需要鈍化の影響を受けたが、環境対応自動車向けを中心に販売を維持した。フォトレジスト製品は、ArFレジストやEUVレジストを中心に総じて好調だった。

 なお、同社は、現時点で今後1年間の業績予想を合理的に行うことは困難であるとし、21年3月期連結業績予想を未定とした。

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