2040年に気候中立を ランクセスが目標を設定

2019年11月27日

ゴムタイムス社

 独ランクセスは11月26日、気候保護の目標として、現在約320万t(CO2換算)となっているグループ全体の温室効果ガス排出量を、2040年までに実質ゼロにし、クライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指すと発表した。2030年までに排出量を現行比で50%削減し、約160万tにすることも目標とする。

 同社は目標を達成するため、①気候保護を推進する対策プロジェクトの立ち上げ、②温室効果ガス排出と成長という要素を切り離す、③製造プロセスと技術の革新を強化するという3方向からのアプローチを実施する。

 このうち、気候保護を推進する対策プロジェクトの立ち上げでは、今後数年間にわたり、温室効果ガスを大幅に削減するための特別プロジェクトを実施していく。ベルギーのアントワープ拠点では、亜酸化窒素を分解するための施設を建設し年間の温室効果ガス排出量を2020年に約15万t、2023年にはさらに30万t削減する予定であるほか、インドでは、複数拠点においてのエネルギー供給を再生可能なエネルギー源に切り替え、2024年からのCO2換算排出量を15万t削減する。これら対策に最大1億ユーロの投資を行い、CO2換算排出量を2025年までに合計80万t削減する。

 同社のマティアス・ツァハトCEOは、「パリ協定において、地球規模の温暖化を2度未満に抑える多国間の国際的な協定が採択された。これを達成するためには関係者一人一人の非常に大きな努力が必要だ。目標を掲げることによって、当社はグローバルな特殊化学品メーカーとしての責任を果たすだけでなく、将来、お客様にとって一層持続可能なパートナーとなる所存だ」と述べている。ツァハトCEOはさらに、「気候保護はビジネス的にも十分採算が取れる」と述べ、より効率的な資源活用に伴って長期的なコスト削減効果があることも強調している。

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