物性解析のAI技術を確立 住友ゴム 物性推定に応用

2019年10月21日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は10月18日、タイヤの原材料情報に加えてゴム内部の構造情報である高度分析データのリアルな情報から高精度なゴム物性推定や、使用前後の構造変化の検知によって使用後のゴム物性推定などに応用できるAI技術「タイヤリープAIアナリシス」を新たに確立したと発表した。同技術の活用により、同社がスマートタイヤコンセプトで掲げている性能持続技術の開発を加速させ、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献する安全・安心な高性能タイヤ開発につなげていく。

 タイヤに用いられるゴムは、天然ゴムや合成ゴムなどのポリマー、カーボンやシリカなどの補強剤、架橋剤や添加剤などで作られる複合体であり、各材料の配合量や構造といったさまざまな要因によって性能が決定される。しかし、ゴムの内部構造は非常に複雑で、人による解析では多大な時間を要し解析精度にも限界があった。

 そのような中、今回確立したAI技術は、例えばタイヤ用配合ゴムの電子顕微鏡画像にAI解析技術を適用することで、人にはできない高精度な解析が実現でき、画像で得られる構造情報から物性を導き出す。また、ゴムに配合されている原材料の情報と他の構造情報を組み合わせることで、さらに高精度な物性推定を可能にする。

 なお、この技術は、使用前後のゴム内部の構造変化の検知も行えることから、今後は使用後のゴムの物性推定などへの応用が期待できる。

 

タイヤリープAIアナリシス

タイヤリープAIアナリシス

 

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