ファインケミカル特集 白石工業 開発・技術力で需要開拓 摺動性など新用途に展開

2019年03月18日

ゴムタイムス社

 炭酸カルシウムのパイオニアである白石工業は、今年11月に創立100周年を迎える。世界で初めて合成炭酸カルシウムの商業生産を開始して以来、ゴムへの応用、海外展開、塗料や製紙への用途拡大など、様々な用途と地域で新たな需要を開拓し、品質力、開発・技術力、供給能力を高めながら時代のニーズに則し事業を発展させてきた。昨今は、建築や自動車のシーラント用途を中心に、日本国内、欧米、アジアで幅広く事業を展開する。

 同社の19年3月期は、全社的に米中貿易摩擦の影響をも少なく、ゴム・樹脂関連事業は概ね計画通りに推移している。

 合成炭酸カルシウムの新しい用途として、ポリアセタール樹脂などの摺動性を向上させる目的での採用が広がり始めた。ナノレベルの粒子が細部に入り込み摺動効果を付与できる特長が評価され、主に精密な電子部品向けに需要が高まっている。

エアポリックの粒子(左が汎用品、右が開発品)

 この分野で同社が注力しているのが、軽量化フィラー「エアポリック」だ。同社グループが独自開発した架橋ポリエステル樹脂から成る粉体で、粒子内に多数の小胞を持ち、耐熱性や耐薬品性、機械的強度に優れた軽量化剤として利用される。この製品の開発グレー

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