全社増収も減益傾向に 自動車用部品4~12月期

2019年03月01日

ゴムタイムス社

 自動車用ゴム部品メーカー5社の4~12月期の自動車部品事業の売上高は、日本国内で軽自動車の販売が好調だったほか、東南アジアなどで自動車生産が堅調だったことから、全社が増収となった。

 一方、利益面では、1社が増益になったものの、人件費や原材料費の増加などにより4社が減益となっている。

 ◆豊田合成
 豊田合成は、日本での新型車効果やアメリカでの拡販、アジアでの主要顧客の生産台数の増加などにより、売上高は6228億6300万円で前年同期比4・7%増となった。

 利益については、日本での新型車を中心とした増販効果や合理化努力等はあったが、第2四半期に独禁法関連損失を計上したことなどにより、営業利益は217億6000万円で同16・7%減となった。

 ◆NOK
 NOKの自動車用を含むシール事業は、売上高が2598億3100万円で同3・2%増、営業利益は人件費の増加や原材料の高騰などにより285億9400万円で同7・0%減となった。

 自動車向けについては、国内での軽自動車の需要、および東南アジアでの需要が好調に推移し、販売が増加した。

 ◆住友理工
 住友理工の自動車用品事業は、売上高が2970億円で同2・6%増、事業利益は61億円で同4・0%増となった。

 日本は軽自動車の生産台数増加を背景に増収となり、アジアは第3四半期に中国で自動車生産減速の影響を受けたものの上期の売上が好調だったことにより増収となった。米国は新車販売減速やメキシコ洪水の影響を受けたが、新製品拡販等により増収。南米はアルゼンチン自動車市場縮小の影響で第3四半期に売上が減速した。欧州は新排ガス試験法導入による自動車生産減少の影響で、減収となった。

 利益については、日本、アジア、欧州は販売数量増加やコスト低減により増益となった。米州は、米国で生産性低下や鋼材価格上昇のため収益性が悪化し、南米もアルゼンチン自動車市場縮小による需要急減の影響を受けて収益性が悪化し、減益となった。

 ◆西川ゴム工業
 西川ゴム工業は、日本で自動車生産台数が前年同期比で増加したことなどにより、売上高は738億4600万円で同3・6%増となり、営業利益は、日本や東アジアでの原材料費の増加などにより、57億9700万円で同2・1%減となった。

 ◆フコク
 自動車部品が主体のフコクは、売上高が585億3900万円で同4・3%増、営業利益は19億4200万円で同13・1%減となった。

 主要顧客先である自動車産業はエリアごとの販売動向に浮き沈みが見られたもののグローバル全体の生産は堅調を維持し、国内外の建機市場も概ね好調に推移したことから、同社グループの受注も底堅く推移し、増収となった。利益面では、米中貿易摩擦による市場や為替の変調、材料費や人件費の上昇、主要事業のプロダクトミックスの変化、製造移管の遅れや合理化の遅れなどの要因が重なり、減益となった。

 

自動車用部品5社まとめ

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