年頭所感 東ソー 山本寿宣代表取締役社長

2019年01月09日

ゴムタイムス社

皆さん、明けましておめでとうございます。本年が皆さんや皆さんの家族にとって、実りの多い
年になるよう祈念しております。

 2018年は一年を通してみると、予算で想定していたほど海外市況、原燃料価格、為替も大きな変動はなく、利益としても満足とはいかないまでも、まずまずの業況であったと感じています。ただし、春先に起こったプラントトラブルを考えると、協力会社を含めた安全対策には一層の注力が必要だと痛感しています。些細なミスが重大事故に繋がる事を私達は教訓として学ぶと同時に今後の業務に活かす事が必要です。

 2019年についてまず考える事は、引き続き業績が安定した会社にしたいという事です。ここ数年の恵まれた経済環境や皆さんの弛まない努力が好業績に繋がった事は喜ばしい事でしたが、その外部環境も今年は変化が起きそうだと感じています。

 当社の更なる成長のため、産学官での共同研究を含め研究開発の成果を実商化していく必要があり、研究部隊に大きく期待しています。

 また働き方改革により、人材不足や総労働時間の規制等、企業は柔軟な対応が求められます。より円滑な事業活動が行えるよう工夫していきましょう。

 環境面では、低炭素社会や海洋プラスチック問題に向けての対応があります。特にCO2削減に関しては、化学会社である当社にとって技術的に貢献できるはずだと考えています。

 2019年度からスタートする次期中計における基本方針は今までと変わっていません。当社はコモディティ事業とスペシャリティ事業を両軸としたハイブリッドカンパニーを標榜していますが、今後もその深化に注力します。需要の伸びに応じて、機能商品をはじめとして能力増強は継続していきたいと考えています。それぞれの商品価値や事業価値を高める事で、ひいては企業価値を高められるよう、計画を策定する予定です。同時にステークホルダーの皆さんに信頼される会社であり続けたいと考えています。

 社会からの要請により、多くの企業がCSR活動に注力しています。当社も昨年CSR委員会を設置すると同時に企業理念に次ぐCSR基本方針(①事業を通じた社会の持続可能な発展への貢献、②安全・安定操業の確保、③自由闊達な企業風土の継承・発展、④地球環境の保全、⑤誠実な企業活動の追求)を制定し、今後CSR活動にも収益性と同様に注力します。

 CSR活動と関連してCO2削減・有効利用推進委員会を設置しました。当社は石炭やオイルコークスを自家発電の燃料として使用していますが、燃やせばCO2が排出されます。しかしながら、当社における自家発電は競争力において欠かせない存在です。他の燃料への転換による削減だけでなく、COやCO2を原料としている当社の製品に有効利用していく事ができればと考えています。当社は化学会社であればこそ、保有する技術を駆使してその有効利用の実現に向かって努力していきます。もちろん一朝一夕とはいきませんが、検討を進めていきます。

 今年の干支は亥です。猪突猛進も時には大事ですが、変化に柔軟に対応できるようプロアクティブな対応もお願いします。何事も「備えあれば憂いなし」です。

 

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