再生ゴム特集 村岡ゴム工業 タイヤ再生ゴム生産堅調 安定品質で輸入品と差別化

2018年11月30日

ゴムタイムス社

 昨年創業100周年を迎えた村岡ゴム工業(千葉県市川市、村岡実社長)の2018年9月期業績は、増収減益の見通しとなった。

干潟工場

干潟工場

 生産面では、主力の「タイヤ再生ゴム」は需要の7割を占めるタイヤ向けがタイヤメーカーの堅調に支えられ好調。タイヤ以外の工業品向けも、需要先のゴム板やベルトなどの生産が堅調で、好調に推移する。受注は「10月以降は活発化している印象」だという。

 一方で、電力や重油のエネルギーコストの負担増に加え、輸送費の高騰もあり、利益が圧縮された。特に電気料金における燃料調整費の上昇、夏季の使用時間帯による割引の廃止が響いた。

 再生ゴムの消費量は、バイアスタイヤ時代のピーク時は業界全体で年間7万tに上ったが、現在は年間2万t前後。天然ゴム価格の低位安定が続き再生ゴムのコスト面でのメリットが薄れたほか、近年はポリマーではなく加工助剤として配合されるようになり配合量が減少している。

 さらに、輸入品の急増にも押されている。再生ゴムの輸入量は年率10%ペースで増え、現在は年間7000t弱に上り、国内で使われる再生ゴムの3分の1は輸入品なのが現状だ。輸入品は中国製やインド製が多く、安価なため工業品を中心に需要が拡大している。輸入品はコスト面では優位だが、品質は国産品と格差が大きく「我々の方が品質管理を徹底し、安定した製品の供給を重視している。海外品はその点で振幅がある」と同社

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