信越ポリマー決算 4~12月期 営業利益が2割増加

2018年01月30日

ゴムタイムス社

 信越ポリマーの2018年3月期第3四半期連結決算は、売上高が592億9000万円で前年同期比7・4%増、営業利益は53億9800万円で同19・6%増、経常利益は56億4100万円で同18・3%増、四半期純利益は41億5400万円で同23・4%増となった。

 電子デバイス事業では、自動車関連入力デバイスを中心に順調な出荷が続き、全体として売上げは前年を上回り、利益も大きく伸びた。主力の入力デバイスは、自動車電装スイッチの種類や搭載車種の増加により、キースイッチの出荷が伸び、タッチスイッチも安定的に推移した。

 一方、薄型ノートパソコン用タッチパッドは、新機種獲得に時間を要し低迷した。ディスプレイ関連製品は、液晶接続用コネクターの販売が回復傾向にあったが、視野角制御フィルム(VCF)がATM需要低迷により振るわなかった。コンポーネント関連製品は、主力の電子部品検査用コネクターがスマートフォン用部品の生産調整の影響を受けたが、その他の部品用途に拡販できた。

 以上の結果、電子デバイス事業の売上高は147億900万円で同5・1%増、営業利益は11億7700万円で同51・0%増となった。

 精密成形品事業では、半導体関連容器の出荷が好調に推移し、全体として売上げは前年を上回り、利益も伸びた。半導体関連容器は半導体業界の旺盛な需要を背景に、主力の300mmウエハー用製品だけでなく小口径用製品の出荷も好調に推移し、売上げを順調に伸ばした。

 OA機器用部品は主力のレーザープリンター用現像ローラの出荷が回復に向かったが、売上げは前年並み。キャリアテープ関連製品は自動車向け半導体を始め、すべての電子部品市場の活況に支えられて堅調な売上げだった。シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品が堅調に推移したが、売上げは伸びなかった。

 これらの結果、精密成型品事業の売上高は254億4600万円で同10・3%増、営業利益は38億3800万円で同14・8%増となった。

 住環境・生活資材事業では、主要製品の市場環境が非常に厳しい中、価格改定や効率化に努める一方、新規事業製品の拡販により、全体として売上げは前年を上回り、利益が大幅に伸びた。ラッピングフィルムなどの包装資材関連製品は、食品スーパーマーケット向け・外食産業向けの出荷が伸びず、価格改定も厳しく、売上げは横ばい。塩ビパイプ関連製品は価格改定を推し進めながら受注量を確保し、売上げは前年を上回った。

 機能性コンパウンドは、自動車用製品とFAロボットケーブル用製品が好調に推移し、売上げを大きく伸ばした。外装材関連製品は、市場低迷の中、新規取引先開拓や製品ラインナップ拡充が奏功し、売上げを伸ばした。

 これらにより、住環境・生活資材事業の売上高は140億8200万円で同8・2%増、営業利益は2億4800万円で同71・7%増となった。

 その他の工事関連では、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件、公共施設の内装物件の安定的な受注に努めたが、全体として売上げは前年をわずかに下回った。この結果、売上高は50億5000万円で同1・0%減、営業利益は1億3400万円で同45・8%減となった。

 通期の連結業績予想は、当初予想から変更なく、売上高が760億円で前期比2・7%増、営業利益が65億円で同17・9%増、経常利益が68億円で同14・6%増、親会社株主に帰属する純利益が52億円で同22・9%増を見込んでいる。

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