年頭所感 バンドー化学 吉井満隆代表取締役社長

2018年01月12日

ゴムタイムス社

 新年あけましておめでとうございます。

 昨年の世界経済は、米国では自律的な景気回復局面にあり、欧州では引き続き緩やかな景気回復が持続しました。アジア地域では総じて堅調に推移しましたが、中国は高めの水準ながら横ばいで推移しました。一方、我が国の経済は緩やかな持ち直しが持続しました。昨年は、1月のアメリカのトランプ大統領就任にはじまり、それ以降、オランダ総選挙、フランス大統領選挙、ドイツ連邦議会選挙、10月には我が国でも衆議院選挙が行われるなど、リーダーの顔ぶれの変化にあわせて、国内外で様々な情勢の変化が見受けられました。将来、私達の生活や働き方にも大きく影響する「AI(人口知能)」や「IoT(Internet of Things)」技術の進化などもありました。

 そうした中、中期経営計画(BF―1)の最終年度として「直ぐやる!必ずやる!期限内にやり切る!」姿勢で5つの重要課題に取り組んできました。第1の指針「グローバル市場戦略の進化」では、ベトナムやインドで二輪市場が活況に推移し、積極的な投資を進めてきました。今後もアジアは最重要地域であり、タイの新会社「Bando Asia & Pacific Co., Ltd.」が2018年1月から事業を開始し、グループ全体最適視点での事業の促進と業務のさらなる効率化を図ります。第2の指針「製品の進化」では、難燃耐熱コンベヤベルト『FR7700』やバイオマス発電プラント向けコンベヤベルト『BANDO FR-BIOS®(バイオス)』、輸送貨物の固縛ベルト用張力計『LASHINGBITE®(ラッシングバイト)』、籾摺り機に使用する特殊熱硬化ウレタン製もみすりロール『イエローボーイ®』など、市場ニーズにきめ細かく応える特長品の開発を推進してきました。第3の指針「ものづくりの進化」では、コンベヤベルトや伝動ベルトなど主力のベルト製品の新ラインの稼働開始によるコスト構造改革に着手しました。第4の指針「新事業の創出」では、コア技術に新技術を融合させ、次世代の柱となる新事業のタネを育成しており、熱マネジメントに貢献する高熱伝導放熱シート『HEATEX®(ヒートエクス)』や伸縮性ひずみセンサ『C-STRETCH®(シーストレッチ)』などの販売が開始されました。第5の指針「経営品質の進化」では、製造実績収集システムの構築に向けたタスク活動に加え、海外拠点への新しいITシステムの導入などにより、経営の見える化が推進しました。総じて、取り組んだ課題は進捗したものの、まだ成果の刈り取りは十分にできていません。

 2018年度は、次期中期経営計画(BF―2)がスタートする年です。2018年の干支である「戊戌(つちのえ・いぬ)」の戊(つちのえ:土の兄)は「茂(しげる)」が語源で、植物の成長が絶頂期にあるという意味をもちます。また「戌(いぬ)」は、もとは作物を刃物で刈り取りひとまとめに締めくくることを表しています。樹木が茂ると日光が当たらず、植物は腐ります。だから、この時期に枝や葉を刈り取らなければいけません。また戊戌(つちのえ・いぬ)という干支は二つの「土」の意味の組み合わせで、土の性質は「変化」といわれています。私たちも、次のステージであるBF-2に向けて、枯れないために陽をあてて飛躍する、そんな「変化の年」に、私をはじめとする経営陣だけではなく、従業員一人ひとりが知恵を出し合い、働き方を抜本的に変え、活力、規律のある組織、風土を実現し、未来へ向かって躍進してまいります。

 本年も引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげ、新年に当たりましての挨拶とさせていただきます。

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