独ランクセスの1~6月期 売上高が3割増

2017年08月17日

ゴムタイムス社

 独ランクセスは8月15日、2017年度第2四半期の業績を発表した。堅調な第2四半期を受け、通期の業績は前回発表同様、過去最高を達成する見通し。

 第2四半期の連結売上高は、前年同期比ほぼ30%増の25億ユーロ(前年同期は19億ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは、前年同期比約25%増の3億6700万ユーロ(同2億9300万ユーロ)となった。この好業績は、4月に買収したケムチュラ社の事業による貢献、販売量の増加、製品価格の値上げが主な要因だ。特別項目を除いたEBITDAマージンは14・6%で、前年同期の15・1%より微減となった。

 純利益は、今期限りの特別費用の計上により、300万ユーロ(同7500万ユーロ)となった。これは、ケムチュラ社の買収費用と、第4四半期に予定するアルゼンチンのサラテ拠点でのクロム化学品製造の閉鎖費用計上の結果である。特別費用を除く純利益は、前年同期比約75%増の1億4100万ユーロ(同8000万ユーロ)となる。

 同社では今年度通期の特別項目を除いたEBITDAは、前回発表同様、12億2500万ユーロから13億ユーロの範囲と予測している。ちなみに、これまでの最高業績は、2012年度に達成した約12億ユーロである。

 事業部門ごとの業績については、ケムチュラ社の買収を完了し、事業部門体制の再編を図ったことから、12ビジネスユニットで構成された5つの事業部門による報告を行うことになった。

 アドバンスト中間体部門の売上高は、前年同期比14・0%増の5億500万ユーロ(同4億4300万ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは、同10・2%増の9700万ユーロ(同8800万ユーロ)。製品価格の値上げ、と新たに追加された有機金属化合物事業が業績に貢献した。特別項目を除いたEBITDAマージンは、19・2%(同19・9%)となった。

 スペシャリティアディティブス部門の売上高は、同106・6%増の4億4000万ユーロ(同2億1300万ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは、同67%増の7500万ユーロ(同4500万ユーロ)。この好業績は、主に今回買収したケムチュラ社の事業がけん引した。さらに、販売量の増加も好影響を与えた。特別項目を除いたEBITDAマージンは、17・0%(同21・1%)となった。

 パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、同11・2%増の3億6700万ユーロ(同3億3000万ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは、同15・9%増の8000万ユーロ(同6900万ユーロ)。製品価格の値上げと昨年買収した衛生・消毒用特殊製品事業が業績に寄与した。特別項目を除いたEBITDAマージンは、21・8%(同20・9%)となった。

 新たに設立されたエンジニアリングマテリアルズ部門の売上高は、同31・3%増の3億6100万ユーロ(同2億7500万ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは、前年同期比60・0%と大幅増の7200万ユーロ(同4500万ユーロ)となった。今回買収したケムチュラ社のウレタン事業が特に好業績に貢献した。さらに、販売量の増加、製品価格の値上げ、高い設備稼働率も寄与した。特別項目を除いたEBITDAマージンは、前年同期の16・4%をかなり上回り19・9%となった。

 アランセオ部門の売上高は、同24・6%増の8億3500万ユーロ(同6億7000万ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは、同3%減の9200万ユーロ(同9500万ユーロ)となった。原料価格の高騰分の一部は価格転嫁したが、特にエネルギーコストの高騰分を十分転嫁できなかった。特別項目を除いたEBITDAマージンは、11・0%(同14・2%)となった。

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