「人とくるまのテクノロジー展2017横浜」開催 ゴム関連企業も最新技術・製品を紹介

2017年05月29日

ゴムタイムス社

 自動車業界の第一線で活躍するエンジニアのための自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2017横浜」が5月24~26日、横浜市みなとみらいのパシフィコ横浜で開催された。ゴム関連企業も多数出展した中から、6社の展示を紹介する。

 ◆住友理工
 住友理工は住友電気工業・住友電装と3社共同でブースを出展。住友理工としては「車体用ダンパーブレース」と「低比重EPDMホース」を初出品した。

 車体用ダンパーブレースは、独自の高分子技術で生まれた高減衰粘弾性材料によって、車体の振動や変形を熱エネルギーに変えて吸収する構造デバイスだ。

 ゴム素材の特長である設計の自由度の高さを生かし、ボディ下部のフレーム状の部分が交差する箇所など、ボディの補強・制振を要求されるものの、設置スペースが限られた場所にも取り付けることができる。

 一方、低比重EPDMホースは部品の軽量化を目的に開発した。強度・耐久性・耐熱性・絶縁性などの特性は、従来のEPDMホースと同等ながら、新開発の軽量補強材料を採用した配合設計により、約20%の軽量化を達成。従来品との切り替えにより、車両当たり約1kgの軽量化が可能となる。

 ◆日本ゼオン
 日本ゼオンは高機能樹脂・部材事業部による2つの開発品「高速伝送FFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)によるクルマのAI化への貢献」「ホットメルト接着性能を有する透明軟質樹脂によるガラスの軽量化」を紹介した。

 高速伝送FFCは、センサーでとらえた情報とアウトプットのタイムラグの解消に貢献する。

 ガラスの軽量化に寄与する透明軟質樹脂「L―3PS/LSシート」は、ガラスの間に入れることで軽量化を図る。厚さ0・7mmの2枚のガラスの間に同シートをはさむことで、ガラスだけの場合に比べ40%近く重量を軽減した試作品を展示し、ガラスとの重さを体感してもらっていた。

 また、同樹脂は水に強いことから、LEDの封止材として使うことで、カバーを付けなくてもLEDを屋外で使えるようになることもPRしていた。

 ◆旭化成
 旭化成は、EVメーカーのGLMと共同開発したコンセプトカー「AKXY(アクシー)」を展示した。

 自動車メーカーや部品メーカーに同社の自動車関連素材をアピールするために開発。GLMのプラットフォームを活用することで、実際に走行させることができる。

 アクシーには金属材料の代替として自動車の軽量化を実現するエンジニアリング樹脂、快適性に優れるカーシート用人工皮革、各種音声処理技術を利用した車内コミュニケーションシステムなど、同社の多岐にわたる部材やシステムを27品目搭載しており、その多くは量産車への導入が可能だ。

 ユニークなものとしては、

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