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お茶大 速度ジャンプのメカニズム解明

2017年08月17日

ゴムタイムス社


 お茶の水女子大学は14日、同大の作道直幸特任助教と奥村剛教授らが、タイヤゴムの耐久性向上のカギとなる「速度ジャンプ」のメカニズムを解明したと発表した。

「速度ジャンプ」とは、ゴムシートに生じた亀裂(破れ)の進展する速度が、秒速1mm未満の低速から秒速1m以上の高速へと急激に転移する現象を指す。速度ジャンプについては、60年前からその現象が知られていたものの、発生メカニズムについては未解明であった。

 作道助教と奥村教授は、ゴムの亀裂進展問題を数学的に取り扱うために、新しい数理モデルを考案した。具体的には、数値シミュレーションなどで使われる格子モデルを、亀裂進展問題に特化させることで単純化し、ゴムの理論として標準的な線形粘弾性理を組み入れた。すると、数理モデルの数学的な解から、速度ジャンプが再現されたという。

 速度ジャンプ現象の理解に関しては、タフなゴム製品を生み出すために重要であり、タイヤゴムの耐久性や耐摩耗性向上のカギとなっている。さらにゴム以外の、ゲル、プラスチックなどの様々なポリマー材料のタフ化にもつながる可能性を秘める。

 今回得られた指導原理に基づいて、従来よりもタフなゴム材料が開発されれば、ゴム材料が利用される産業全般に広い波及効果が期待されるとともに、安全、安心、エコな社会の実現にも役立つと見ている。

 同研究については、内閣府革新的研究開発推進プログラム(インパクト)の伊藤耕三プログラム・マネージャーの研究開発プログラムの一環として行われた。
 
 なお、本研究成果は、2017年8月14日10時(英国時間)発行の英国科学誌「サイエンティフィックリポーツ」に掲載された。

 

速度ジャンプの実験方法とその再現モデル