東海カーボンの14年12月期 増収で営業益が2・2倍

2015年02月12日

ゴムタイムス社

 東海カーボンの2014年12月期連結決算は売上高は1145億7600万円で前期比13・5%増、営業利益は37億300万円で同123・7%増、経常利益は41億8000万円で同34・2%増、当期純利益は25億6200万円で同111・2%増となった。

 カーボンブラック事業部門は、日本では対面業界である自動車とタイヤ産業が、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要を受け夏ごろまで好調に推移した。カーボンブラック需要は、その後の駆け込み需要の反動による影響は小さく、一時的に弱含みであったものの、年間を通じて概ね堅調に推移。主要市場である日本とタイへの安価な中国製品の流入が続いたが、北米を中心とした緩やかな景気回復を受け、販売数量は同で増加した。以上により、同事業部門の売上高は548億3600万円で同22・1%増となり、営業利益はCancarb Limitedの業績寄与や国内の価格改定等により28億1100万円で同24・5%増となった。

 炭素・セラミックス事業部門の黒鉛電極では、世界粗鋼生産は前年を上回る水準で推移し、対面業界である電炉鋼の生産も同様に推移した。黒鉛電極の需要は、北米、欧州、日本においては前年を上回る水準で推移したが、同社の主要市場であるアジアにおいては、鉄鋼需要の落ち込みや、供給過剰が続く中国からの鋼材流入の影響等を受け黒鉛電極需要が低迷した結果、販売数量は同若干の増加に留まった。販売価格については、黒鉛電極の需給不均衡が解消されないまま国内外とも弱含みで推移したが、外貨建て輸出売上の円安効果もあり黒鉛電極の売上高は、300億8800万円で同2・1%増となった。ファインカーボンでは、対面業界の回復に伴い全般的に需要は緩やかな回復基調で推移した。地域別では、米国は、半導体用やポリシリコン向けの需要増に加え一般産業用も堅調に推移。欧州は、主力の一般産業用が堅調に推移していたが、年後半からはロシア・ウクライナ情勢の影響による景気の下振れ懸念が現れてきた。アジアは、日本での需要の伸び悩みがあるものの、韓国はLED用が概ね好調であり、中国は需要回復が見られる太陽電池用をはじめ、一般産業用やLED用も堅調に推移した。この結果、円安効果も受けファインカーボンの売上高は143億9900万円で同14・7%増となった。以上により、同事業部門の売上高は同5・9%増の444億8700万円となり、営業利益は、円安効果もあり12億6900万円で同1031・1%増となった。

 工業炉及び関連製品事業部門では、工業炉の売上高は、主な需要先である情報技術関連業界において一部に回復の兆しが見られたことや、大型工事の受注により同で大幅な増加となった。発熱体その他関連製品の売上高は、国内における一部電子部品業界の旺盛な需要と、中国におけるガラス業界が堅調に推移したことに支えられ同微増。以上により、同事業部門の売上高は46億7100万円で同10・9%増となり、営業利益は6億2600万円で同59・1%増となった。

 その他事業部門の摩擦材では、主な需要先である建設機械業界向けは、2012年後半以降続く需要低迷から未だ本格回復には至らず、販売数量はスポット需要による微増に留まった。一方、農業機械向けの需要は好調な北米市場に支えられ販売数量は増加し、二輪車、四輪車向けの販売数量も堅調に推移。この結果、摩擦材の売上高は86億1000万円で同6・1%増。不動産賃貸等その他の売上高は、リチウムイオン二次電池用負極材の販売数量が増加したことにより19億6900万円で同17・9%増。以上により、同事業部門の売上高は105億8000万円で同8・1%増となり、営業利益は、売上増と操業度の改善により同大幅改善となる3億6800万円となった。

 15年12月期の連結業績予想は、売上高が1110億円で前期比3・1%減、営業利益が40億円で同8・0%減、経常利益が38億円で同9・1%減、純利益が18億円で同29・8%減を見込んでいる。

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