川口化学の14年11月期 輸出好調で利益が大幅に回復

2015年01月16日

ゴムタイムス社

 川口化学工業の2014年11月期決算は、売上高が67億2800万円で前期比8・3%増、営業利益は5900万円で同598・6%増、経常利益は6600万円で同1569・2%増、当期純利益は3600万円で同682・9%増の増収増益となった。

 主力のゴム薬品・樹脂薬品・機能性化学品で、市場動向に対応した販売や新規販売に注力するとともに、原材料価格の高騰に対応して製品価格改定を進めた。

 また、海外で主力のゴム薬品と樹脂薬品の積極的な受注拡大に務めたほか、原材料購入・製品在庫の適正化と合理化を始めとするコスト削減を実施。この結果、特に利益面で前期の不振から大幅な回復を果たした。

 部門別では、ゴム薬品は主要顧客のタイヤ・自動車用ゴム部品・合成ゴムユーザーで、消費増税による駆け込み需要と反動減の影響が見られた。

 特殊ゴム薬品で販売を伸ばした品目もあったが、増税後の反動減から、自動車生産台数の前年割れの影響が第4四半期に入っても継続したため、国内の販売では前年比で売上が減少した。

 輸出については、為替が円安に推移したことや、中国をはじめとする東南アジアの経済活動で緩やかな拡大傾向が継続したことから、主力商品を中心に受注拡大に努め、売上を伸ばした。

 この結果、ゴム薬品部門の売上高は41億8700万円で、同3・1%増となった。

 樹脂薬品は、主要需要先の国内外のアクリル酸・アクリル酸エステルの生産需要が引き続き拡大したことや、国内アクリル酸生産の復調により、売上を伸ばした。また海外市場への販売を強化し、既存の顧客への販売を維持拡大するとともに、新規顧客の開拓を行い、売上を伸ばした。

 この結果、樹脂薬品部門の売上高は9億800万円で同30・0%増となった。

 中間体は、界面活性剤中間体は顧客の生産がやや低調となったことから、前年同期並みの売上となった。染顔料中間体は顧客の需要状況に対応した生産販売を行い、売上を伸ばした。

 農薬中間体は主要品目で競争が激化したが、受注確保に注力したことから、全体として前年並みの売上となった。医薬中間体機能性化学品は一部品目の受注減があったものの、主要品目で顧客の需要を捉えた受注に注力し、売上を伸ばした。

 この結果、中間体部門の売上高は7億1500万円で同21・2%増となった。

 その他については、環境用薬剤は製品統合があったものの、受注の確保に注力し、売上を伸ばした。潤滑油向け薬品は競争の激化により、一部品目で売上が減少したが、自動車関連産業の回復により販売が全体としては増加し、売上は前年同期を上回った。

 新規用途向け薬品は、品目により売上に増減があったが、新規受注の獲得に注力したことから、全体では売上が増加した。

 この結果、その他部門の売上高は9億1600万円で、同6・3%増となった。

 15年11月期の見通しについては、売上高75億円で同11・5%増、営業利益6500万円で同10・1%増、経常利益5500万円で同17・5%減、当期純利益4500万円で同22・・3%増との見込みとなった。

 その背景として、円安による企業収益の上振れ、株価上昇による資産効果などが景気回復を後押しすると予想される一方、世界経済は不安定要素が多分にある。また、円安進行に伴う原材料価格などの引き上げや、消費増税後の景気回復の鈍化傾向が継続していることなどから、引き続き予断を許さない状況に推移するとの見方を示している。

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