「国際プラスチックフェア(IPF)2014」開幕へ

2014年10月17日

ゴムタイムス社

 3年に1度開催されるアジア最大規模のゴム・プラスチックの総合展「国際プラスチックフェア(IPF)2014」が10月28日から11月1日までの5日間、千葉市の幕張メッセで開催される。

 主催は国際プラスチックフェア協議会。同展はゴム・プラスチック関連製品や機器、技術などを紹介し、商談の機会を設ける展示会。8回目を迎える今回は776社・団体が2248小間に出展する。

 全体を9つの展示会と1つのコーナーに分けることで、来場者が狙いを絞りやすくなっている。9つの展示会は、高機能プラスチック原料・添加剤・フィラー展、プラスチック成形機・成形関連システム展、プラスチック・ゴム金型設計製造システム展、ゴム原料・成形システム展、コンポジット材料・成形システム展、発泡プラスチック展、リサイクル装置・システム展、プラスチック・ゴム試作・加工・製造受託展、プラスチック・ゴム工業部品調達展。多関節ロボット・組立ロボット集中展示コーナーも設けられる。

 インターネットによる事前登録者と招待券持参者は無料だが、会場での当日登録は登録手数料として1000円が必要(消費税込み、5日間有効)。入場者数は4万3745人が見込まれている。

 多数が出展するゴム関連企業の中から、岡安ゴム、ケーブラッシュ商会、八興、ホッティーポリマーに注目した。

 ◆岡安ゴム
 岡安ゴムはプラスチック・ゴム工業部品調達展に出展する。小間番号は60617。

 同社が長年に渡り培ってきた配合技術・生産技術から生まれた、スポンジゴム押出品とゴム成型品を広く知ってもらうことを目的として「タフロング」を中心に、押出スポンジの「タフシール」「プロテクター」などを紹介する。

 タフロングは押出メーカーならではの独自製法による幅広・長尺スポンジ。その特徴は、両面皮膜による撥水性の良さと強い表面強度、長尺品であることでの高い歩留まりなど。さらに、両面テープや粘着塗布加工などによる加工性の自由度や、UL―94HBF・FMVSS302相当の難燃性も実現している。

 タフシールとプロテクターは、車両・建築業界で広く使われている。高い止水性と高断熱性が特徴。「カラースポンジ」は黒物押出ラインにも関わらず、少ロット生産が可能だ。

 その他、配合設計・金型設計・高生産性(夜間無人生産技術)の共有から生まれた、INJ成形品の配管用バルブ・バリレス製品・色物製品なども展示する。

 同社では、展示会を通じて「内外の顧客との関係構築を図るとともに、当社が進む道を確認したい」と話している。

 ◆ケーブラッシュ商会
 ケー・ブラッシュ商会のブースはプラスチック成形機・成形関連システム展(二次加工機械・資材ゾーン)。小間番号20418。

 同社は、高性能ゴム用射出成形機などを製造する仏レップ(REP)社製品を4月から販売した。レップ社は世界で初めてゴム射出成形機を製造。現在、世界57ヵ国で約1万1000台が使われている。同社の装置の特長は、何よりも生産性が高いこと。高品質な製品を、他メーカーの装置に比べ短時間で製造できる。エネルギー消費やゴムのロスなどを減らせることから、トータルで考えると人件費などのコストダウンに寄与する。

 今回の出展は仏レップ社の主力となっている第9世代となる縦型射出成形機「Vシリーズ」などPRしていく。

 ブースでは、同社が注力するひとつに4ステージ型マルチ成型機CMS(コンパクトマルチステーション)も紹介。同機械は「4ステージ型マルチ成形機CSM」は、1台の装置で最大4種類の金型により別々の製品を生産できる。 特長は限られたスペースで最大限の生産量を実現した点。また、1つの金型に射出している間に、第2・第3ステージでは加硫、第4ステージで取り出しを行い、すべての工程を無駄なく行えるのも特長だ。

 同機械は大量生産にも向いており縦型V69モデルよりも設置面積が小さいにもかかわらず小型成型品であれば4つのステージをフルに使うことで作業の効率が大幅に向上した。その結果、人件費の削減に貢献できる。

 また縦型射出成型機RTシリーズも紹介。射出機の性能のキーである射出ユニットはREPオリジナル製を使い、プレスと制御は台湾で製造することで性能をキープしながら価格を抑えている。

 技術面については、REP社の特徴の1つである加硫時間向上技術「ターボキュア」を紹介。同技術はどの装置とも組み合わせることができ、加硫時間を最大40%短縮することができる。

 これら既存の装置・技術に加え、仏レップ社製品の高い生産性を実現することをPRしていく。

 ◆八興
 八興はプラスチック・ゴム工業部品調達展に出展。小間番号は6ME08。

 柔軟フッ素ホースシリーズを中心に、同社が注力する製品を出品する。

 同社ブースでは柔軟フッ素ホースフェルール加締品の特長をはじめ、ホース破裂の比較、ホース内層の滑り性の比較などを行い、製品性能をPR。また、7月1日から販売を開始した、環境に優しい非塩ビホース「kYシリーズ」の新製品「KYチューブ」「KYコイル」も積極的にPRしていく。

 KYチューブは柔軟性を向上させて多目的に使用できること、KYコイルはオール非塩ビになっているのが特徴。両方とも内層にオレフィン系樹脂を採用したことで耐薬品性に優れ、薬品搬送にも適している。

 さらに、外層にはスチレン系エラストマーを採用した非塩ビのため、焼却しても有害ガスの発生を抑えることができる。

 ◆ホッティーポリマー

ホッティーポリマーはプラスチック・ゴム試作・加工・製造受託展にブースを設ける。小間番号は61012。

 高機能な各種スーパーエンプラチューブをはじめ、各種シール材、保護材などを様々な材質・商品を提案する。

 今回注力するひとつに「HOTTY TPX? マンドレル」がある。同製品はTPX(ポリメチルペンテン:PMP)で押出成形されたマンドレル(丸棒)。「TPX(ポリメチルペンテン)」は透明性・耐熱性・耐薬品性に優れた樹脂。マンドレルとしては表面張力が24dyne/cmと小さいため、雛形性や耐被汚染性に優れ、それに加え熱的性質に特長を有し、耐熱老化性、耐スチーム(沸水)性にも優れている。

 そのような特性を活かし、ゴムホースの製作時のゴム加硫工程の短縮と加工費の削減、および吸水率が低いためマンドレルの寸法精度が良く、ゴムホースの優れた内径精度の実現が可能なことを提案していく。

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