宇部興産 子会社ウベボード社を解散

2014年10月01日

ゴムタイムス社

 宇部興産は9月30日、同日開催の取締役会において、同社の連結子会社であるウベボード社の解散を決議したと発表した。

 また、これに伴い2015年3月期において特別損失を計上する。

 ウベボード社は1950年に「宇部スレート工業」として設立し、建造物の壁や屋根などに使われる波板製品を主力に事業を営んできた。

 1986年にはサイディングボード(外壁用ボード)事業に進出、翌1987年に「ウベボード」に社名変更し、OAフロアや建装材まで事業を拡大してきた。しかし1990年代中頃から建造物着工の減少や業界での競争激化などにより、販売数量の伸び悩みが続いた。

 また、2008年の「外装材JIS改正」に伴い主力製品がJISの規格から外れたことなどにより、サイディングボード事業を中心に業績が大幅に悪化。厳しい環境が続く中で、ウベボード社は、固定費の削減や生産性向上を目指した収益改善対策、ニッチ製品を中心とした販売活動などに注力したが、サイディングボード事業の抜本的な損益改善の目途が立たない状況が続いた。

 このような状況を踏まえ、同社は、ウベボード社と今後の事業存続の可能性を慎重に検討した結果、解散することを決議した。

 解散の日程は2015年3月31日を予定。

 また、同解散により、2015年3月期決算において、連結で43億円の特別損失を計上する。この特別損失には、清算に伴う諸費用、固定資産の減損損失のほか、今後発生が想定される残務操業損失の見込み額をすべて含んでいる。また、個別においても特別損失40億円を計上する。

 同特別損失を計上するものの、過年度に計上したウベボード社に対する会計上の手当てに関する税効果が計上可能となること及び通期予想において一定額の構造改善費用を織り込んでいたことなどにより、通期の連結当期純利益に与える影響は軽微。

 現在、国やウベボード社を含む建材メーカー等を被告とするアスベスト訴訟が提起されている。ウベボード社は、同解散決議後も引き続いてアスベスト訴訟の当事者として対応を継続する。

 なお、波板事業など、サイディングボード以外の採算性が見込まれる事業については新会社へ移管し、2015年4月1日より新体制で事業を行う。

 新会社は(仮称)新トキワ興産。静岡県富士市五貫島字浜添704―65に所在。波板・OAフロア・バスマット製品の製造・販売及び施工を行い、資本金は2億円(予定)。持株比率は宇部興産が100%。

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